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【書評】証券分析【1934年版第1版】第4章~第5章

 

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マネたびeee
40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。

ベンジャミン・グレアムとデビッド・ドッドによるバリュー投資のバイブルともいえる証券分析【1934年版第1版】を紹介します。全52章から構成される大作のため、後々見返すことを念頭に、書評というよりもむしろ各章の要約的な位置づけとして複数回に分けてまとめます

というのも、証券という分野において、個人投資家・個人投機家を対象とする書籍が多数みられるものの、多くの書籍でテーマの重複が多いです。重複が多いにも関わらず、同じような書籍がいつのときも上梓されているという事実は、個人投資家・個人投機家含め人間は忘れる生き物であることの証左だと思います。しかも、同じ書籍を何度も繰り返して読み返すということはあるでしょうか?

必要な書籍が一冊あれば、類似テーマの書籍はいらないのでは?と思います。良書に出会ったなら、その書籍を徹底的に読み、理解し、自分のモノにすべきですが、新しい書籍=新しい知識が入るという錯覚に陥ってしまいます。これは自分への戒めでもありますが、私見も含めながら、将来、読み見返すことを念頭に、黄色でハイライトした箇所、「」で囲んだ箇所は本書からの引用というルールを設けました。(ひょっとしたら、そうでない箇所もでてくるかもしれませんが。)

前回の記事では、第2章から第3章までについて触れましたが、今回は第4章と第5章に触れます。

第4章 投資と投機

序文でも説明されていた投資と投機が第4章で改めて登場します。投資と投機の違い・定義は曖昧で、「投資とは成功した投機であり、投機とは失敗した投資であると定義する皮肉屋もいる」とされているほどです。

古来より、投資という名の投機が横行していた、自分では投資と思っていても実際は投機であり、ただ単に結果的にリターンを上げていたという事象が多かったのかもしれません。

第4章では、投資と投機の定義がされています。具体的には、「一般投資家の理解の範囲と、ある程度の用語上の正確さという条件を満たすべく以下のような定義を提案する。すなわち、「投資とは詳細な分析に基づいて、元本の安全性と満足すべきリターン(投資収益)を確保する行為である。この原則を満たさない行為を投機と呼ぶ」

定義を設定したうえで、「投資基準を最低限に満たしながら、個別銘柄の投資に伴うリスクを軽減するうえでも分散投資は有利であろう」と、分散投資の有利性について触れられています。

分散投資の重要性が1930年代から言われており、多くの個人投資家も分散投資を意識していると思いますが、結果的にセクターが偏っていたりすることもあると思いますので、実際は、真の分散投資ではなく、ただの選り好みに過ぎない例も多いと思います。

第5章 証券の分類

著者のベンジャミングレアムは、債券と株式というような伝統的分類には反対の姿勢を示しており、たとえば、同じ株式であっても、「優先株を普通株と同じカテゴリーに含めていることについて、少なくとも投資という性質に関するかぎり、優先株は明らかに債券のカテゴリーに分類されるべきである。というのは、標準的な優先株は確定利息と元本の安全性を目的に購入されているからである。」と主張しています。

債券は必ずしも安全ではないですが、「そうした安全性の保証も債券形態の本質的な利点によるものというよりは、多くの企業がそれによって誠実に資金を調達し、元利返済の義務を履行するという投資家の期待に応えてきた結果にほかならない。」と、記しています。元利返済義務を怠れば、デフォルトの烙印を押されてしまうので、企業は、デフォルトの烙印を押されないように、なんとしても守らなければならない約束事の位置づけでしょうか。実際、多くの企業は、元利返済のために新たに社債を起債したり、優先株を発行するなどして、綱を渡っています。「(その証券の)安全性とは債務者である当該発行会社の元利返済能力そのものであり、安全性の度合いはその能力によって100%決まる。」

本書をここまで読む限りにおいて、インカバ(インタレストカバレッジレシオ:事業利益÷金融費用)を象徴するような言葉遣いや説明が多いですし、本書が上梓された1934年という当時の時代背景(1929年の世界恐慌の影響・余波)を踏まえると、安定したキャッシュフローを望めることが重要であるという印象を感じ取れます。

証券区分

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証券の分類について、「目的にかなう有効な基準はその証券の購入後の「一般的な特徴」、つまりその証券の購入者や保有者にとってそのリスクとリターンがどのようなものなのかをもとにすべき」とされています。

巻末の参考資料においても当時の時代背景をふまえてか、債券の安全神話(?)偏見について触れられています。「一般投資家は株式投資を投機と見なす一方、同じ資産の権利という点では株式よりも不利な債券の購入を投資だと考えている。その原因のひとつは、「債券(Bond)=安全」という偏見によるもの

参考資料

標準的ではない債券や優先株、普通株について銘柄と共に、参考資料にて紹介されています。それらを以下に列挙しますが、これらが流通市場で売買されていたのか、売買にあたって、何をものさしにしていたのか、が疑問です。そもそも標準的ではない時点で、コンプスやベンチマークの選定が難しく、理論株価と時価の乖離が大きくなりそうな気がします。また、名称から判断すべきではないものもあるので、こういった標準的ではない証券に資金を投じる際は、しっかりと中身を把握することが重要です。

  • 「一定期日の確定利払いという無条件の権利を変更した債券」
  • 「一定期日の元本償還という無条件の権利を変更した社債」
  • 「議決権を含め、一定の元利以外は発行会社の資産や利益に対する追加請求権がないという通常の債券条件を変更した社債」
  • 「通常の優先株とは利益権が異なる優先株」
  • 「発行会社の資産について変種の優先株」
  • 「議決権について変種の優先株」
  • 「発行会社の利益ついて変種の普通株」
  • 「発行会社の資産について変種の普通株」
  • 「議決権を行使してその会社の経営政策に関与できる権利について変種の普通株」
  • 「分類株式(Classified Stock)」
  • 「経営者株(Management Stock)、発起人株(Founder’s Stock)および従業員株(Employee’s Stock)」
  • 「制限株(Restricted Stock)」
  • 「名称は社債だが実質は普通株」
  • 「無担保優先株(Debenture Stock)」
  • 「配当参加証書(Dividend Participation Certificate)」
  • 「バンカーズ・シェア(Banker’s Share)」
  • 「株式割当証書(Allotment Certificate)」
  • 「整理優先株(Adjustment Preferred)」
  • 「担保付き無担保社債(Secured Debenture)」

確定利付き証券

確定利付き証券は、「将来的にもその元本価値の変動は極めて小さいというのがその大きな特徴である。この証券に対する保有者の主な関心は元本の安全性にあり、投資の唯一の目的は確実なインカムゲインを得ること」と位置付けたものです。

変動利付き上位証券

変動利付き上位証券は、「将来的に元本価値の変動が見込まれる」ものであり、「投資家は安全なインカムゲインを望みながらも、転換権やその他の優先権を行使してキャピタルゲインを得ることも可能」であるタイプと「損失のリスクはあるが、そうしたリスクはそれ以上のキャピタルゲインのチャンスで補うことができる」ものタイプに大きく分かれます。

こういった区分をしたとしても、「境界線はかなり曖昧であるため、その証券をどちらのクラスに含めるのかは証券アナリストや投資家の個人的な判断に」よります。

また、変動利付き上位証券と普通株の区分もまた確定利付き証券と変動利付き上位証券の区分と同じように不明確です。というのも、「当該企業の業績とその証券に対する投資家の見方によって決まる」からです。

「証券分類の基準はその名称にあるのではなく、その証券特有の内容と投資家の見方という実際上の基準に基づくべき」であり、「重要なことはその証券の保有者が法律的に要求できるものではなく、将来的に得ることができるもの、またはその証券を購入した時点で得られる可能性のあるものを基準にすべき」です。

楽天から購入される場合はこちらから。

参考

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【書評】証券分析【1934年版第1版】第2章~第3章

 

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