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【書評】証券分析【1934年版第1版】第2章~第3章

2021/08/30
 

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40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

ベンジャミン・グレアムとデビッド・ドッドによるバリュー投資のバイブルともいえる証券分析【1934年版第1版】を紹介します。全52章から構成される大作のため、後々見返すことを念頭に、書評というよりもむしろ各章の要約的な位置づけとして複数回に分けてまとめます

要約・備忘録としての位置づけが近い、このブログシリーズの自分ルールについては、別記事でまとめました。

前回の記事では訳者まえがきから第1章までについて触れましたが、今回は、

  • 第2章 証券分析の数量的要因と質的要因
  • 第3章 情報源

をまとめます。

第2章 証券分析の数量的要因と質的要因

証券分析にあたっての課題

「最も一般的な問題は・・・①特定の目的を満たすにはどの証券に投資すべきか、②当該証券を購入すべきか、それとも売却・保有すべきか」であり、その「解決策を提示するには・・・①選択する証券、②購入価格、③投資時期、④投資家という4つの主な要因について考慮」しなければなりません。

投資時期

「その分析結果を実際の状況に適用する場合には、環境の変化という条件も常に念頭に置かなければなら」ず、分析を通じて得られた過去の結果が今の相場環境にそのまま当てはめられるか否かといった点に注意が必要です。

銘柄選択

銘柄選択にあたって、「①どの証券を、②いくらで購入するのかーといった見方から、①どの企業に、②どのような条件で投資するのかーといった視点に変えてみると、証券分析における2つの基本的な要因を全体的にバランスよくとらえることができる」とされています。

「二流企業へ投資して大儲けしようとするよりも、一流企業の証券を高値で買った投資家のほうがそれほど大きな損失を出さなかったことは実証済み」であるように、投機ではなく投資を通じて手堅く資産を増やすには、一流企業への投資は必要不可欠です。

銘柄選択にあたって、あなたが初心者であるかプロであるかによって、変わってきます。それは、「①初心者向けの原則ー「二流企業の証券に絶対におカネを投じてはならない」、②プロの原則ー「すべての証券はある値段では安いかもしれないが、別の値段になれば高くもなる」」です。

バランス感覚

時間は有限ですし、タイムリーに分析するにあたって、「証券アナリストが分析テクニックを行使するときには、ある程度のバランス感覚が求められる。分析材料を選んで証券分析に取りかかるときには、データの重要性と信頼性をはじめ、入手のしやすさや利便性も考慮」しなければなりません。木を見て森を見ずに、ならないようにバランス感覚は重要です。これは、証券アナリストに限ったことではなく、DDなどにも言えることでしょう。

経営能力は2回評価される

「株式市場ではその企業の経営能力というものを2回評価する傾向がある。ある企業の株価とはその優れた経営能力が生み出した好業績を反映したものだが、株式市場ではそれに加えて「優れた経営能力」をもうひとつの好材料として織り込んでしまう。こうした同じ材料を 2回使うことで、過大評価による株価の異常な高値が生まれるのである」という点は、盲点でした。

トレンドは無視できない

分析にあたってトレンドは無視できません。「過去のトレンドを未来にまで延長することで将来の収益を予測し、これをその企業の評価基準とする傾向がある。こうしたプロセスではそれなりの数字が使われるため、多くの人々はそれが数学的に正しいものと錯覚してしまう」。過去という事実を将来の推測にあてはめてしまう危険性がありますが、「トレンドが確実に多くの人目を引くころには、すでに変化の機が十分に熟している」のであって、例えば、一般紙も株を話題にしたり、猫も杓子もビットコインを話題にしたりするといったときは、相場の転換点でしょう。

「トレンドがどれほど数量的要因として強調されようとも、現実には「質的要因」であると考えるべきである」、すなわち、相場は人間の心理を反映したものであり、価値と価格が一致しないことから、数字的な裏付けで高尚らしさを出したとしても、結局は定性的要因によってトレンドが作られているということですね。数字をゴリゴリ回す下っ端アナリストにとっては悲しい現実でしょうか。

なお、トレンドとは「正確な予測という形をとった将来の見通し」であり、「証券アナリストはさまざまな質的要因がその証券の価格にどれほど反映されているのかということを正確に判断することは不可能」です。

したがって、「証券アナリストも将来の変化については考慮するが、その目的はそこから「利益を得る」ことではなく、それによって「身を守る」こと」にあり、身を守るにあたって「証券アナリストが最も重視する質的要因とは「本来的には安定した要因」である。安定した要因というのはあまり変化せず、それゆえ企業業績の予測にとって信頼性が高いものである」

肝に銘ずべきこと

「証券アナリストの判断は常に事実に基づく数字と確立された基準に基づくべき」であり、「好業績の統計データは証券アナリストの正しい判断にとって「必要条件」ではあるが、けっして「十分条件」ではない」ことを肝に銘じておくべきです。

第3章 情報源

この章では、1930年代当時における情報源について記載されています。当時は、四半期報告書や半期報告書を開示する企業としない企業がまちまちだったり、株主に詳細な情報を公表しない企業が多かったりした背景もあって、業界誌なども重要な情報源の一つである旨、書かれていますが、「重要な情報源について簡潔に触れながらそれらを批判的な観点から検討」しています。

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証券アナリストが求める情報は、①検討する特別な問題、②当該企業、③当該産業ーなどに関するもの」であり、これは当時も今も変わらないと思います。

「株主が当該企業に特別の問題に関する情報の提供を求めていけないという理由はないし、また要請すれば何らかの情報は得られるものである。株主はその会社の「オーナー」であり、またそれらの役員の「雇い主」であることを忘れてはならない。それゆえ、株主は当該企業に悪影響を及ぼさないかぎり、正当な質問をしてそれに対する回答を受け取る権利がある」ため、オーナーという観点から情報開示を要求することは株主に与えられた権利ともいえます。

さまざまな業界誌も定期的に多くの重要な要約統計を公表している。それらの刊行物から各産業の現在と将来の業績に関する継続的なデータを入手できる」という点は、他社を出し抜きたい方に取っては、重要だと思います。たとえば、海運業の場合、バルチック海運指数だけを見るのではなく、MarineTrafficeなどのサイトで、船舶の稼働状況を調べる。航空業界ならば、Flightradar24などで飛行機の運航状況を調べる。ゲーム業界ならば、ファミ通(なつかしい!)などで週間販売本数を調べるといった、一手間はもはや常識だと思います。

 

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参考

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【書評】証券分析【1934年版第1版】訳者まえがき~第1章

 

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