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【2764】配当性向173%のひらまつ

2021/04/19
 

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40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

5/10(金)に決算短信が公表されましたが、この1年間失望しているだけあって、今回ももちろん失望です。失望した点は以下の2点です。

  • 配当性向の高さ(173%。当期純利益75百万円に対して配当金総額は129百万円)
  • 社外取締役選任に伴うコーポレートガバナンスの意識の低さ(社外取締役に取引先を選任)

2月の通期業績予想の修正開示理由は売上高ではない

11月に無配を決定していたものの、2/8公表の短信において、最繁忙期の12月単月売上高が予想を上回ったことから、2月には復配を決定した経緯があります。

なお、当第3四半期連結累計期間内の12月は通期中の最繁忙期であり、単月で予想を上回る売上となったため、2018年11月9日に公表いたしました通期業績予想を上回る通期業績予想を2018年12月27日に公表いたしました。

なお、この業績予想修正の開示の本当の根拠は売上高ではないと思います。売上高の予想値が、公表された直近予想値から 10%以上増減する場合に適時開示をしなければなりません。(金融証券取引法第166条第2項第三号、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第51条第1項)

業績予想修正のIR上、予想売上高は0.1%しか変えていないことがわかります。基準に照らし合わせると適時開示の理由は、当期純利益の増減率(+597%)と復配ではないかと考えています。

ひらまつの売上高は減少傾向

残念ながら、PLのトップである売上高の減少に歯止めがかからず、また、営業利益も減少しているため、営業利益率は約6.8%(前期は約13.1%)と冴えない結果です。(なお、当初の業績予想売上高として120億円を掲げていたことを踏まえると、目標売上高に10%も届かない状況は異常です。)なお、ホテル事業の基盤を構築しているフェーズとはいえ、フリーキャッシュフローはマイナスであり、身の丈にあった事業展開ができていない気がします。

このような業績の中での配当は、結果として、配当性向が100%を超え、173%です。

空虚なコーポ―レート・ガバナンス

IRによると、新任の社外取締役候補者の選任の決議をされたようですが、1人は大株主であり、取引先でもあるNTT都市開発の副社長。本来は自分たちで執り行う業務を、取引先の重役を”社外”取締役として選任することが良いのか疑問です。

NTT都市開発株式会社において、代表取締役副社長として経営者の経験と実績を有しており、2015 年の同社との資本業務提携以降、THE
HIRAMATSU HOTELS & RESORTS ブランドの 4 つのホテルを共同で開発してまいりました。今後のホテル事業拡張に向け、開発フェーズにおける建築設計、事業性評価等の強化や、コーポレート・ガバナンスの強化に貢献いただけると判断し、同氏を新たな社外取締役候補といたしました。

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もう1人は、大学の理事長で元文化庁長官の方です。高台寺を譲渡したひらまつには、フレンチとイタリアンしか残りませんが、海外富裕層が来日してまでフレンチやイタリアンを食べたいのか疑問です。

東京大学や東京藝術大学で教鞭をとる一方、文化庁長官として文化の振興及び国際文化交流の振興を図るなど、豊富な経験と深い知見を有して
おります。さらに、現在は公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会文化・教育委員会委員長も務めることから、新規ホテル出店先である国際観光都市・京都や国内各地の既存ホテル、レストランへの海外富裕層の集客アプローチの取組み強化など、食を中心とした文化の発信による企業価値向上に貢献いただけると判断し、同氏を新たな社外取締役候補といたしました

提言: 平松氏の影響の排除とプロ経営者の招聘を

株式会社ひらまつに求めることは、一株主にしかすぎない創業者である平松氏の影響を排除して、毅然と自らの事業を進めることを提言します。平松氏の影響があるからこそ、レストランひらまつ広尾の事業譲渡や高台寺を平松氏が運営する別会社(ひらまつ総研)に譲渡したり、業務委託費を支払ったりといった不透明な取引を生み出していると疑念を持たれてもしょうがない実態になっていると思われます。(レストランひらまつ広尾の事業譲渡はIRに示されていません。)

しがらみを気にしないプロ経営者を招聘を望みます。

最後に

大株主上位10名でも約3割しか議決権がないので、株主総会において剰余金処分の件と社外取締役選任の件が否決されれば、日本の機関投資家の意思決定機能は有効に機能していると思いますし、剰余金処分の件が否決されれば、新聞の一面を飾るくらいのインパクトかと思います。

新規ビジネスに着手し、後には引けない企業が成長途上にある過程で配当を出すことが良いのか否か、機関投資家は、公正・透明をもって議決権行使をしてほしいです。

参考

ひらまつのコーポレートガバナンスの欠如、オーナーのモラルの低さを最初に指摘した記事はこちらから

【2764】レストランひらまつ広尾の運営会社は、ひらまつ総合研究所であるということ

 

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