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【日銀】日銀保有の国債の年限別残高推移(2019年年末時点)

2020/01/18
 

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読書家 兼 経済人。 自分の経験・知見、考えていること、感じ取ったことを資産として、残していきたいと思います。

日銀の総資産の内訳

2019年9月30日時点におけるB/Sのうち資産の部の内訳は、国債が断トツの約85%です。貸出金(約8%)、ETF(約5%)と続きます。

金額にすると、国債は約480兆円、貸出金は約48兆円、ETFは約27兆円です。金額の観点からも、国債が異様なボリュームであることがわかります。なお、日銀の2019年9月末の当期剰余金は約9,200億円、純資産は4.1兆円ですので、国債が風邪を引いて金利が上がれば、評価損の計上であっという間に、債務超過に陥る影響力を持っていることがわかります。

なお、興味深いことに、日銀の総資産は膨張する一方で、その内訳にあまり変化は見られません。

 

日銀が保有する国債の銘柄別残高

日銀は、自らが保有する国債の銘柄別残高をウェブサイトで公表しています。以前は月次ベースで公表していましたが、2014年5月以降は、月3回の頻度で国債の銘柄別残高を公表しています。また、年限別国債保有残高は、同じく日銀のウェブサイトのうち会計報告に関するウェブサイトから財務諸表を開き、附属明細書から読み取ることができます。

データを取得してグラフ化してみたところ、2013年3月末時点において日銀が保有する国債残高は約125兆円でしたが、2019年9月末時点では約480兆円に増えており、約6年半で4倍弱に増えていることがわかります。直近2~3年は国債保有のペースが鈍っているように見えますが、加重平均保有年数は一貫して上昇基調のため、年限が短い国債の保有割合が減り、年限が長期の国債の保有割合が増えていることが示唆されます。

メッシュを細かくして、2016年12末から2019年12末の間を見てみると、じわりじわりと加重平均保有年数が長くなっていることがわかります。真綿で首を絞められるような、ゆっくりとした増加です。

なお、2019年12月30日時点における日銀が保有する国債の年限別残高は、2年債が約24兆円、5年債が約104兆円、10年債が約191兆円、20年債が約93兆円、30年債が約33兆円、40年債が約7兆円、変動が約6兆円です。

 

デュレーション試算:12.25年(2019年12月30日時点)

債券は金利が上がると価格が下がり、金利が下がると価格が上がる仕組みになっていますので、金利の上昇が460兆円の国債に与えるインパクトを試算するにあたって、デュレーションという考え方を用いようと思います。デュレーションとは、残存年数を加重平均したものであり、債券投資に対する投資の平均回収期間を表します。

日銀の公表資料から厳密にデュレーションを試算するのは煩雑であること、また、財務省による公表資料「国債管理政策の現状」より、生保大手のデュレーションの動向として、平成27年度のデュレーションが13.0年であることから、日銀が保有する国債の加重平均保有年数と大差ないことがわかりますので、便宜的に、加重平均保有年数をデュレーションとみなすと、2019年12月30日時点における日銀保有国債のデュレーションは12.25年と試算されます。

 

金利1%の上昇で、56兆円の損失

このデュレーションの試算に基づくと、約460兆円の国債の金利が1%上昇すると、56兆円の損失が生じる可能性があり、0.1%の金利上昇で、5.6兆円の損失が生じる可能性があります。

460兆円 x 12.25x 1% = 56.22兆円

 

誤解を恐れずに言うならば、1回の利上げで即債務超過!?

冒頭にて、日銀の純資産は約4.1兆円である旨、触れましたが、上記の試算を踏まえると、約0.08%の金利上昇で日銀は債務超過に陥る試算結果となります。これは、利上げ1回で即債務超過に陥る水準ですので、日銀は利上げしたくてもできない状況(利上げをしたら、自分の首を絞める状況)に陥っています。評価損ですので、キャッシュアウトを伴うものではありませんが、金利が上がれば負債の部に計上されている預金(当座預金)に付利する金利が上昇するため、日銀のP/Lに支払利息としてキャッシュアウトを伴う費用が増加します。

中央銀行は火の車。

 

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