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【日銀】日銀保有のETFの取得単価試算を踏まえてXデーに備える

2019/08/05
 
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読書家 兼 投資家。 自分の経験・知見、考えていること、感じ取ったことを資産として、残していきたいと思います。

日銀が公表している”指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果”によると、日銀は2018年にETFを以下のとおり取得しました。

  • 設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF:  2,940億円
  • 上記以外のETF: 6兆2,100億円
  • J-REIT: 564億円

計6兆5,604億円を1年間で取得したわけですが、毎年、定期的にニュースで取り上げられる一方で、私の頭の中で点が線になっておらず、日銀が足元でどのくらい保有しているのかわからないので、整理してみました。具体的には、日銀が保有するETFの取得単価はいくらなのか、含み損があるのかないのか、含み益はどのくらいか、また、日経平均等のインデックスがいくらになると簿価割れ(含み損)を抱えるのか、日銀が公表している会計関連の資料を基に試算してみました。

日経平均: 18,120円、TOPIXは1,365が目線

日銀は2018年7月30/31日に行われた政策委員会・金融政策決定会合において「今後のETFの買入れの運営について」にてETFの銘柄別買入額を見直しましたが、実際に、どのETFをどれだけ購入しているか明示しているわけでもなく、また、運用途中にて方針が変更されています。公表情報より精緻な試算はできないので、簡便的に試算しました。

(日銀のウェブサイトより)

試算にあたって、(1)日銀が保有するETFがすべて日経225をベンチマークとするETFであるとした場合、(2)すべてTOPIXをベンチマークとするETFであるとした場合の2パターンにわけてグラフにしてみました。いずれも、2018年9月30日までのデータで現在公表されているものを使っています。

2018年9月30日時点において、簿価21.8兆円に対して時価は29.0兆円であり、含み益は7.2兆円(+33%)です。このときの日経平均終値は24,120円04銭でしたので、これらを基に、簿価を日経平均ベースに引き直すと、18,120円26銭と試算されます。昨日(4月10日)の日経平均終値(21,687円57銭)と比較すると、評価益率は19.7%。2018年9月30日以降も日銀は、ETFを継続的に取得しており、現在の平均取得単価は18,120円よりも大きいと思われるため、評価益率はさらに下がる可能性があります

なお、日経平均のヒストリカルデータはこちらを参照しました。

同様に、2018年9月30日のTOPIXは1,817.25でしたので、これらを基に、簿価をTOPIXベースに引き直すと、1,365.22と試算されます。昨日(4月10日)のTOPIX終値(1,607.66)と比較すると、評価益率は17.8%。2018年9月30日以降も日銀は、ETFを継続的に取得しており、現在の取得単価は1,365よりも大きいと思われるため、評価益率はさらに下がる可能性があります

なお、TOPIXのヒストリカルデータはこちらを参照しました。

東証REIT指数は1,546

日銀は、J-REITのETFも購入しているため、日銀保有のREIT関連のETFの簿価は、東証REIT指数に引き直すとどの程度になるか試算しました。

2018年9月30日時点において、簿価4,915億円に対して時価は5,649億円であり、含み益は734億円(+14.9%)です。このときの東証REIT指数終値は1,777.18でしたので、これらを基に、簿価を東証REIT指数ベースに引き直すと、1,546.26と試算されます。昨日(4月10日)の東証REIT指数終値(1,871.35)と比較すると、評価益率は21.1%。2018年9月30日以降も日銀は、ETFを継続的に取得しているため、現在の取得単価は1,871よりも大きいと思われるため、評価益率はさらに下がる可能性があります

なお、東証REIT指数のヒストリカルデータはこちらを参照しました。

評価損益率の推移(0% = ブレークイーブン)

日銀は、年々ETFの購入金額を増やしており、加重平均の観点からも直近の取得価額に引っ張られることもあって、評価損益率は年々下落傾向にあります。ざっくばらんに言うならば、現状から2割下落で日銀は評価損に陥ります。特に、J-REITは日経平均・TOPIXよりも一足早く評価損に陥る可能性があると思われます。

2020年の東京オリンピック前後に到来すると思われる不況にどのように備えるか(どのように資産防衛するか)、今から考えても遅いくらいかと思いますので、目先の上がった下がったに捉われず、大局も勘案して行動に移さなければならないと思います。

簿価割れ後のETFの売却は日銀のP/Lにヒットし、当期純損失は純資産の棄損につながります。仮に、簿価で売却できたとしても、需給のバランスが崩れて、売りが売りを呼ぶ負の循環に陥る可能性が高いでしょう。日銀が保有ETFを減らす際は、市場にネガティブインパクトを与えることなく、減らしていって欲しいです。

自己資本比率は8%

日銀の総資産が545兆円なのに対して純資産は4兆円しかありませんが、自己資本比率は8%と計算されています。バーゼルによる自己資本比率の考え方・計算方法なのでしょうか?中央銀行特有の計算方法なのでしょうか?いずれも不勉強なので、深くツッコむことはできませんが、自己資本比率の計算上、引当金勘定を分子に組み入れ、リスクアセット(分母)を銀行券平均発行残高のみとして計算することには違和感です。

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