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【日銀】日銀保有のETF取得単価試算【UPDATE20190731】

2019/08/05
 

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40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

7月29日・30日に2日間にかけて金融政策決定会合が行われ、当面の金融政策運営において、以下のとおり決済されました。全員一致で、これまでと同水準でETF/J-REITを買入れを続けていくとのことです。

(2)資産買入れ方針(全員一致)
長期国債以外の資産の買入れについては、以下のとおりとする。
① ETFおよびJ-REITについて、保有残高が、それぞれ年間約6兆円、年間約900億円に相当するペースで増加するよう買入れを行う。その際、資産価格のプレミアムへの働きかけを適切に行う観点から、市場の状況に応じて、買入れ額は上下に変動しうるものとする。
② CP等、社債等について、それぞれ約 2.2 兆円、約 3.2 兆円の残高を維持する。

1人でも、有識者がNoを突きつけると、日本市場の信認が失われそうな気もします。結果として、有識者という過去の栄光にしがみついている方々の談合・出来レースかと思います。まともに議論するならば、せめて、買入れ資産の売却方針をアジェンダに上げても良いと思うのですが、なぜ、アジェンダにも上がらないのでしょうか。

さて、今回は、7月末までの日銀のETF取得単価の推移と年末までの想定取得単価の推移を試算しました。

 

2019年7月31日時点のETF取得単価試算の前提

2019年3月31日以降も、日銀は継続的にETFを取得しているので、以下の前提をおいて、2019年7月31日時点のETF取得単価を試算しました。

  • 2019年3月31日時点の取得単価:18,336円
  • 終値で取得
  • 指数連動型上場投資信託受益権を日経平均と仮定

指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果”によると、2019年1月1日から7月31日までにおいて、日銀は指数連動ETFを2兆8,443億円購入し、J-REITを240億円分購入しています。

ETF買入結果はいつ、いくら取得したか公開されているため、加重平均をする形式で日経平均ベースの取得単価を試算しました。

日経平均は18,336円から18,534円へ(2019年7月31日時点)

4/1から7/31の4ヶ月の間に、日経平均は約13円上昇し、日銀の取得単価は198円上昇し、18,534円と試算(含み益率は16.1%)されました。

金融政策決定会合が、事実上、機能不全に陥っている中、老後の生活を見据えた資産形成を考えていくうえで、含み益が約16%あることをどのように捉えるかによって、日本株を今度保持するか否か、行動が変わってくると思います。日銀が保有していることを理由に買い続けるか、ただ、この場合、少なくとも、思考停止であることを認識すべきだと思います。例えば、GPIFがこの配分比率だから自分たちの基金も同じ配分にするという機関投資家も、セールスする側も思考停止状態です。個人投資家も投資の意思決定者も考えたうえで、行動をすべきか、すべきでないか判断すべきです。

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なお、GPIFも、体(運用残高)が大きくても、その体を動かす脳(ブレイン)は、小鳥の脳みそのように小さく、普通の機関投資家の延長の運用方針のため、為替リスク回避のためにヘッジ付き外債運用を始めたというのは、ヘッジコスト相当分だけリターンは目減り(結局は日本国債相当のリターン?)し、ヘッジコスト相当分だけ相手を潤しているのではないでしょうか?

GPIF、為替リスク回避の取引開始 外債1兆円超

GPIFは日銀の金融緩和で国債の投資利回りが下がっていることを受けて、昨年9月から35%とする国内債券への投資比率を現預金などの短期資産と合算して判断している。日本国債の代替投資先として外債の購入を増やしているとみられ、18年度末の国内債券の構成比率は17年度より低下する一方、外国債券の比率が高まった。

ヘッジをするためには金利差分のコストを負担しなければならないが、為替変動のリスクを抑えることができる。

信じて託しているかというと、ブラックボックス過ぎて、不透明すぎて、信じて託せません。

 

年末の想定取得単価は18,846円

年末までの取得単価の推移について、お絵描きしてみました。お絵描きの前提条件は以下のとおり。

  • 1年間でETFを6兆円購入(1/1-7/31までに2兆8,443億円購入していることを踏まえて、3兆1,557億円を8/1-12/31に購入)
  • 8月1日-12月31日まで毎日均等額を購入(線形補完)
  • 21,500円で購入

赤枠がお絵描きの箇所ですが、年末時点の想定取得単価は18,846円(日経平均を21,500円とした場合の含み益率は約14%)と試算されました。日銀がETFを通じて含み損を抱えることとなった場合に、日銀が取る行動、海外機関投資家が取る行動を想定しなければならないのですが、有事に備えた一つの目線として、日経平均が20,000円を割れたらイエローゾーン、19,000円を割れたらレッドゾーンと見ていいのではないでしょうか。

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