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【日銀】日銀保有のETF取得単価試算【UPDATE20190930】

 
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読書家 兼 投資家。 自分の経験・知見、考えていること、感じ取ったことを資産として、残していきたいと思います。

自称日銀ウォッチャーになりつつあります。

米中貿易摩擦がどうなるか不透明感が漂う中、希望の光が見えるものの、洞窟の出口まで後どのくらいかわからない(もうすぐ?もうすぐ?と不安が募りつつも希望を持ち続けて前進する)という感じの9月でした。

日銀によるまとまった買いは9月27日と9月30日の2回だけでした。ただ、9月27日は権利落ち日のため下落して下落すべき日なのですが、にも関わらず日銀はまとまった買いを入れています。ただ、機械的に買っているだけ、主観を入れていないという抗弁が聞こえてきそうですが、中央銀行が戦略も持たずに、出口も考えずに、年間6兆円買入れの目標を達成するために、淡々と行動しているだけに見えます。相場が良ければ、6兆円も購入しなくて良いのでは?と思います。

本日の前場は横ばい、後場は徐々に下落基調にあったことから、機動的に買い入れたのでしょうか。こちらについては主観が入っていそうな気がします。

 

そもそも日銀は本当にETFを買っているか?

資料上、毎営業日、日銀は”設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETF”を淡々と12億円ずつ買い続けています。”設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するための指数連動型上場投資信託受益権買入等に関する特則”によると、買入対象は以下のとおりです。

国内の金融商品取引所(以下「金融商品取引所」という。)に上場されている指数連動型上場投資信託受益権であって、次のいずれかに該当するもののうち、買入対象とすることが適当でないと認められる特段の事情がないものとする。

(1)本行が別紙1に定める基準に基づき適格とする指数に連動するよう運用される銘柄であって別紙2に定める基準を満たすもの

(2)JPX日経インデックス400(JPX日経400)に連動するよう運用されるもの

JPX日経400に連動するものと記載されているので、JPX日経400を指数とするETFの売買代金を集計しました。

集計結果

東証のETF銘柄一覧より、指数連動がJPX日経インデックス400のETFを集計した結果、売買代金は以下のとおりです。

  • 2019年9月27日:199,488,542円
  • 2019年9月30日:575,942,454円

日銀は毎日12億円ずつ買い入れているはずですが、東証の売買代金を見ると、12億円にも達していません。本当に買入れているのか疑問です。あるいは、市場外で買い入れているのかもしれませんが、”?”です。

ちなみに、TOPIXの売買代金は以下のとおりです。

  • 2019年9月27日:5,802,989,918円
  • 2019年9月30日:4,225,410,785円

日経平均の売買代金は以下のとおりです。

  • 2019年9月27日:6,356,455,789円
  • 2019年9月30日:5,193,616,406円

日銀が700億円買い入れているはずですが、売買代金は

2019年9月30日時点のETF取得単価試算の前提

2019年3月31日以降も、日銀は継続的にETFを取得しているので、以下の前提をおいて、2019年9月30日時点のETF取得単価を試算しました。

  • 2019年3月31日時点の取得単価:18,336円
  • 終値で取得
  • 指数連動型上場投資信託受益権を日経平均と仮定

指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果”によると、2019年1月1日から9月30日までにおいて、日銀は指数連動ETFを3兆6,688億円購入し、J-REITを276億円分購入しています。

ETF買入結果はいつ、いくら取得したか公開されているため、加重平均をする形式で日経平均ベースの取得単価を試算しました。

日経平均は18,836円から18,602円へ(2019年9月30日時点)

4/1から9/30の6ヶ月の間に、日経平均は約247円上昇し、日銀の取得単価は約266円上昇し、18,602円と試算(含み益率は17.0%)されました。

 

年末の想定取得単価は18,827円

年末までの取得単価の推移について、お絵描きしてみました。お絵描きの前提条件は以下のとおり。

  • 1年間でETFを6兆円購入(1/1-9/30までに3兆6,688億円購入していることを踏まえて、2兆3,312億円を10/1-12/31に購入)
  • 10月1日-12月31日まで毎日均等額を購入(線形補完)
  • 21,500円で購入

赤枠がお絵描きの箇所ですが、年末時点の想定取得単価は18,827円(日経平均を21,500円とした場合の含み益率は約14.2%)と試算されました。日銀がETFを通じて含み損を抱えることとなった場合に、日銀が取る行動、海外機関投資家が取る行動を想定しなければならないのですが、有事に備えた一つの目線として、日経平均が20,000円を割れたらイエローゾーン、19,000円を割れたらレッドゾーンと見ていいと思います。

そもそも、このようなマーケット環境で、日本株を買い進める理由は特に見当たらないと思います。日銀とGPIFは買いたくなくても買わざるを得ない事情があると思いますが、個人投資家が積極的に日本株(特に日本株ETF)を買い続ける合理的な理由はないと思います。

 

ETFの平均取得単価よりも注意すべきは国債

日銀が保有するETFの取得価額は約27.6兆円、時価は約32.2兆円ですが、注意すべきは日銀が保有する日本国債です。日銀が保有する日本国債は約456兆円(9月20日時点)です。ETFの約14倍超も保有しています。

先日の記事でも紹介しましたが、日銀は利上げすれば、即、債務超過に陥る可能性を有しています。

 

デュレーション試算:12.17年(2019年9月20日時点)

債券は金利が上がると価格が下がり、金利が下がると価格が上がる仕組みになっていますので、金利の上昇が456兆円の国債に与えるインパクトを試算するにあたって、デュレーション(残存年数を加重平均したもの)であり、債券投資に対する投資の平均回収期間を表します。

日銀の公表資料から厳密にデュレーションを試算するのは煩雑であること、また、財務省による公表資料「国債管理政策の現状」より、生保大手のデュレーションの動向として、平成27年度のデュレーションが13.0年であることから、日銀が保有する国債の加重平均保有年数と大差ないことがわかりますので、便宜的に、加重平均保有年数をデュレーションとみなすと、2019年9月20日時点における日銀保有国債のデュレーションは12.17年と試算されます。

 

金利1%の上昇で、56兆円の損失

このデュレーションの試算に基づくと、約456兆円の国債の金利が1%上昇すると、56兆円の損失が生じる可能性があり、0.1%の金利上昇で、5.6兆円の損失が生じる可能性があります。

456兆円 x 12.17 x 1% = 56兆円

 

誤解を恐れずに言うならば、1回の利上げで即債務超過!?

日銀の純資産は約3.8兆円ですが、上記の試算を踏まえると、約0.07%の金利上昇で日銀は債務超過に陥る試算結果となりました。これは、利上げ1回で即債務超過に陥る水準ですので、日銀は利上げしたくてもできない状況(利上げをしたら、自分の首を絞める状況)に陥っています。

もちろん、実際経済において、一つの変数だけが動くことは、まずないので実際にはどうなるかわかりませんが、金利上昇が与えるインパクトを具体的に警鐘されている記事をほとんど見かけませんでしたので、まとめてみました。

口を酸っぱくして毎月末にアップデートしてますが、合理的に、かつ、冷静に考えて、そもそも、こういう国の通貨や株を買う理由があるのか疑問です。

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