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【日銀】日銀保有の国債の年限別残高推移

 
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読書家 兼 投資家。 自分の経験・知見、考えていること、感じ取ったことを資産として、残していきたいと思います。

定期的に日銀によるETF取得状況の推移や取得単価を更新していますが、ETF取得状況の数字を追いかけても、約557兆円の日銀の資産のうちETFが占める割合は、5%弱です。一方で、資産に占める割合が一番大きい国債(資産に占める割合は約85%)について触れてきませんでしたが、やはり、国債が与えるインパクトは無視できませんし、ETF取得単価ほどはわかりづらいので、積極的に記事にしようと思いました。

日銀の総資産の内訳

2019年3月31日時点におけるB/Sのうち資産の部の内訳(構成比率)は、国債が断トツの約85%、次が貸出金(8%)、ETFは3番目で約5%です。

金額にすると、国債は約470兆円、貸出金は約47兆円、ETFは約26兆円です。金額の観点からも、国債が異様なボリュームであることがわかります。なお、日銀の2019年3月期の当期剰余金は約5,800億円、純資産は3.8兆円ですので、国債がくしゃみしただけで、日銀は債務超過に陥る影響力を持っていることがわかります。

https://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mei/release/2019/index.htm/

日銀が保有する国債の銘柄別残高

日銀はウェブサイトにて、以前は月次ベースで公表していましたが、2014年5月以降は、月3回の頻度で国債の銘柄別残高を公表しています。そのウェブサイトからデータを取得してグラフ化してみたところ、2015年年初時点における日銀が保有する国債残高は約200兆円でしたが、2019年8月時点では約460兆円に増えています。約4年半で2.3倍に増えていることがわかります。また、10年債以上の長期国債の保有を増やしていることがわかります。このことは、加重平均保有年数が9年から12年に長くなっていることからもわかります。

なお、2019年8月20日時点における日銀が保有する国債の年限別残高は、2年債が約25兆円、5年債が約110兆円、10年債が約190兆円、20年債が約90兆円、30年債が約32兆円、40年債が約7兆円、変動が約6兆円です。

 

デュレーション試算:12.10年(2019年8月20日時点)

債券は金利が上がると価格が下がり、金利が下がると価格が上がる仕組みになっていますので、金利の上昇が460兆円の国債に与えるインパクトを試算するにあたって、デュレーションという考え方を用いようと思います。デュレーションとは、残存年数を加重平均したものであり、債券投資に対する投資の平均回収期間を表します。

日銀の公表資料から厳密にデュレーションを試算するのは煩雑であること、また、財務省による公表資料「国債管理政策の現状」より、生保大手のデュレーションの動向として、平成27年度のデュレーションが13.0年であることから、日銀が保有する国債の加重平均保有年数と大差ないことがわかりますので、便宜的に、加重平均保有年数をデュレーションとみなすと、2019年8月20日時点における日銀保有国債のデュレーションは12.10年と試算されます。

 

金利1%の上昇で、56兆円の損失

このデュレーションの試算に基づくと、約460兆円の国債の金利が1%上昇すると、56兆円の損失が生じる可能性があり、0.1%の金利上昇で、5.6兆円の損失が生じる可能性があります。

460兆円 x 12.10 x 1% = 56兆円

 

誤解を恐れずに言うならば、1回の利上げで即債務超過!?

冒頭にて、日銀の純資産は約3.8兆円である旨、触れましたが、上記の試算を踏まえると、約0.07%の金利上昇で日銀は債務超過に陥る試算結果となりました。これは、利上げ1回で即債務超過に陥る水準ですので、日銀は利上げしたくてもできない状況(利上げをしたら、自分の首を絞める状況)に陥っています。

もちろん、実際経済において、一つの変数だけが動くことは、まずないので実際にはどうなるかわかりませんが、金利上昇が与えるインパクトを具体的に警鐘されている記事をほとんど見かけませんでしたので、まとめてみました。

 

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