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【日銀】日銀保有のETF取得単価試算【UPDATE20191031】

 
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読書家 兼 投資家。 自分の経験・知見、考えていること、感じ取ったことを資産として、残していきたいと思います。

10月の日銀のETF取得行動を振り返ってみたいと思います。

米中摩擦問題の靄が晴れるか晴れないかわからない10月上旬に4回のまとまったETF買い入れを行っていますが、その後、堅調な米国市場・ドル高に伴い、日経平均は上昇基調であり、目立った買いを入れていません。(まとまった買いを入れる大義名分はありません。)

年末までに残り2兆円を使いきれるか?

日銀は年間6兆円をETF購入に費やす予定でいますが、6兆円を年末までに使いきれるかという問題に直面していると思います。現在、3兆9,756億円を既に使っていますので、残り2兆244億円です。一方、11月1日から12月31日までの営業日は41営業日ですので、1営業日あたり500億円弱の買い入れが必要となりますが、日銀がまとまった買いを入れる場合、だいたい700億円ですので、残り2兆円を使い切るならば、41営業日のうち、28~29営業日にまとまった買いが入ると思われます。

何も考えずにただ単調に買い続ければ、もちろん使いきれるでしょう。ただ、その場合、ETF買い入れという手段が目的化しているに過ぎないと思います。黒田総裁が「株価下支えのため」と口を滑らせたように、株価の下支えとしての目的は既に果たしておりますし、果たしすぎている気もします。下支えする懸念要素もなく上昇基調の中、そもそも買い続ける必要があるのか?という疑問が浮かびます。本来、物価安定の目標を実現するための必要な措置の一つがETFの買い入れかと思いますが、投資対効果、費用対効果の検証を行っているのか疑問です。検証がないならば、手段が目的にすり替わっている可能性が大きいです。

別の側面から捉えると、麻酔・麻薬を打ち続けている(ETFを購入し続けている)から安定している、という帰結ならば、日銀は、出口のないカード(切り札)を切ってしまったことに他なりません。仮にETF購入を止めたら、麻酔が切れ、即座に物価は不安定になるであろうことが想定できますし、”日銀がETFを購入しない”という行動自体がマーケットに負の影響を与えかねないからです。

泥船国家、日本。おい、しっかりしろよ、日銀。黒田総裁。

次期総裁は、黒田総裁の息のかかった人が就任するでしょう。(合理的な人ならば、現状を鑑みたうえで、自分から好き好んでババを引きたくありません。)

日銀保有のETFが向かう出口はどこか?

10月29日の日経新聞に「日銀、ETF来春にも貸し出し 市場の流動性向上狙う」という記事が載っていましたが、日銀が購入した行くあてのないETFの使い道として、ETFを貸し付けることは市場に流動化がもたらされるので、流動性という観点からは良いと思います。

ETF貸付制度のほかに、案を考えてみたいと思います。

1: GPIFに相対取引でETFを時価で受け渡す。日銀はETF引き渡しの対価として現金(発行銀行券)をB/Sの資産に計上。負債に計上されている発行銀行券と相殺してB/Sを圧縮(実際に燃やしたら話題になりますね。)

2: 日銀保有のETFを個別株に解体の上、自己株購入かつ消却予定企業との資本取引を通じて、当該企業に買い取らせる。当該企業は、取得した自己株が消却されることによって、流通市場における当該企業の株数は減少するため1株当たり株式の価値は増加し、当該企業の株価は上昇する可能性がある。日銀のB/Sには現金が計上されるため、資産・負債両建ての現金を相殺消去。

2が、特定の体力のある企業にとってメリットがあると思います。言い換えれば、体力のない企業の株価は下落・淘汰されますので、本来の株式市場の姿になると思います。一方で、日銀はクズ株のみを保有することになりかねない、すべての企業に強制的に買い取らせるというのはどうでしょうかね。

 

2019年10月31日時点のETF取得単価試算の前提

日銀は継続的にETFを取得しているので、以下の前提をおいて、2019年10月31日時点のETF取得単価を試算しました。

  • 2019年3月31日時点の取得単価:18,336円
  • 終値で取得
  • 指数連動型上場投資信託受益権を日経平均と仮定

指数連動型上場投資信託受益権(ETF)および不動産投資法人投資口(J-REIT)の買入結果”によると、2019年1月1日から10月31日までにおいて、日銀は指数連動ETFを3兆9,756億円購入し、J-REITを300億円分購入しています。

ETF買入結果はいつ、いくら取得したか公開されているため、加重平均をする形式で日経平均ベースの取得単価を試算しました。

日経平均は18,836円から18,634円へ(2019年10月31日時点)

4/1から10/31の7ヶ月の間に、日経平均は約1,418円上昇し、日銀の取得単価は約298円上昇し、18,634円と試算(含み益率は23.0%)されました。

 

年末の想定取得単価は18,896円

年末までの取得単価の推移について、お絵描きしてみました。お絵描きの前提条件は以下のとおり。

  • 1年間でETFを6兆円購入(1/1-10/31までに3兆9,756億円購入していることを踏まえて、2兆244億円を11/1-12/31に購入)
  • 11月1日-12月31日まで毎営業日均等額を購入(線形補完)
  • 22,500円で購入

赤枠がお絵描きの箇所ですが、年末時点の想定取得単価は18,896円(日経平均を22,500円とした場合の含み益率は約19.1%)と試算されました。日銀がETFを通じて含み損を抱えることとなった場合に、日銀が取る行動、海外機関投資家が取る行動を想定しなければならないのですが、有事に備えた一つの目線として、日経平均が20,000円を割れたらイエローゾーン、19,000円を割れたらレッドゾーンと見ていいと思いますが、年内にこのラインを下回る可能性は低いかなと思います。

そもそも、このようなマーケット環境で、日本株を買い進める理由は特に見当たらないと思います。日銀とGPIFは買いたくなくても買わざるを得ない事情があると思いますが、個人投資家が積極的に日本株(特に日本株ETF)を買い続ける合理的な理由はないと思います。

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