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【REIT】ストップJ-REIT: 分配金利回りが高いことだけを理由に購入することは早計

2019/08/16
 
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xpelife
読書家 兼 投資家。 自分の経験・知見、考えていること、感じ取ったことを資産として、残していきたいと思います。

J-REIT関連の記事を最近目にするので、J-REITについて、数字を用いて分析しました。結論として、分配金利回りが高いことだけを理由に購入するのは早計、愚の骨頂と言えます。

 

J-REITに関する最近のニュース

2019年7月12日付”東証REIT指数、11年7ヵ月ぶり2000回復 利回り確保期待

日銀は足元でほとんど買い入れに動いておらず、主な買い手とみられるのは、債券に代わる運用先を模索している地銀などの国内金融機関

昨今、外債投資で多額の損失を計上した地銀は、金融庁から大目玉を食らったということは記憶に新しいのですが、地銀にリスク管理態勢・分析能力がないことを露呈してしまったにもかかわらず、今度はJ-REITを率先して買いにいっているようです。地銀は、何も学んでいないようです。

 

J-REITインデックスの推移

2005年1月1日から2019年7月11日までの東証REIT指数のグラフは以下のとおりです。(参考:日本証券取引所グループ

2008年のリーマンショック、2007年のパリバショック前の最高値は2,612.98であり、足元は2,000を超えてきたところです。インデックスだけを見ると一概にバブルとは言い切れませんが、緩やかに上昇していることに間違いはありません。

 

NAVとは

REITの購入を検討する際の指標として利回り以外に、Net Asset Valueの略称でもあるNAV(なぶ)が挙げられます。NAVは、B/Sの含み損益を純資産に反映させ、時価ベースで純資産額を算出するために利用されます。J-REITの場合、NAV 純資産額-保有不動産簿価+保有不動産鑑定額で算出される場合が多いです。

NAV倍率とは、株式でいうところのPBR(Price Book value Ratio, 株価純資産倍率:時価総額÷純資産)に相当するものです。話が脱線しますが、PBRが1を超えると割高、1を下回ると割安という表現が良くされていますが、実際は、PBR = PER x ROEの関係にあることから、PBRだけを見て判断するのではなく、あくまでも一変数と捉えて、他の指標と共に総合的に判断するのが重要です

例えば、以下に示すように、他の変数も見ることで割高か割安か判断できます。

  • PBR 0.8倍 = PER 80倍 x ROE 1%: 割安と言えません。
  • PBR 0.8倍 = PER 8倍 x ROE 10%: 割安と言えます。

 

NAV倍率とROEの関係

J-REIT全63銘柄(2019年7月14日時点)を対象に、J-REIT不動産投資情報ポータルより、データを取得して散布図を描きました。NAV倍率が1倍を下回り、かつROEが8%を上回るのは、いちごホテルリート投資法人(3463)トーセイ・リート投資法人(3451)の2本のみです。一方、NAV倍率が1.4以上の2本(日本アコモデーションファンド投資法人(3226)アドバンス・レジデンス投資法人(3269))は、ROEが平均並みなので、相対的に見て買われすぎな気がします。

 

NAV倍率と分配金利回りの関係

同様に、NAV倍率と分配金利回りのデータを取得して散布図を描きました。多くのJ-REITはNAV倍率1.0~1.3、分配金利回りは3%~6%の間に位置します。

なお、NAV倍率とROEの関係においても触れた2本(日本アコモデーションファンド投資法人(3226)アドバンス・レジデンス投資法人(3269))は、分配金利回りが見劣りします。一方で、高ROEのいちごホテルリート投資法人(3463)トーセイ・リート投資法人(3451)の分配金利回りは、それぞれ4.88%と5.70%なので、投資妙味がありそうに思えます。

 

NAV倍率と時価総額の関係

次にNAV倍率と時価総額の関係の見てみます。傾向として一つ言えることは、NAV倍率が1倍を割れているものの多くは、時価総額が2,000億円以下の小型REITです。一方、NAV倍率が大きくなるにつれて、時価総額が大きい傾向にあります。もちろん、保有物件数の違いによって時価総額が異なるため、一概には言えませんが、時価総額が大きいほど買われ、時価総額が小さいほど買われない(放置される)傾向にあると考えられます。

なお、高ROEかつ高分配金利回りのいちごホテルリート投資法人(3463)トーセイ・リート投資法人(3451)の時価総額は、それぞれ330億円と345億円です。

 

時価総額と分配金利回りの関係

時価総額と分配金利回りの関係を見てみました。高利回りと考えられる4.5%以上の多くは、時価総額が2,000億円以下です。なお、高利回りで比較的時価総額も大きい緑のプロットが1つありますが、これは、インヴィンシブル投資法人(8963)です。(NAV倍率:1.2、分配金利回り:5.59%、時価総額:約3,500億円)

J-REITの取得・売買動向

最後に、J-REITによる取得物件リスト・売却物件リスト・動向は、こちらのサイトから確認することができます。体力のあるJ-REITほど旺盛に物件を取得できていると言えますが、今のマーケット環境での取得は、高値掴みに終わる可能性もありますので、今、積極的に物件を取得しているJ-REITは今後、損失を出すかもしれないということも念頭に入れたほうが良いと思います。ちなみに、インヴィンシブル投資法人(8963)は6月に2軒売却していますが、売却額はそれぞれ277億円と122億円です。取得額をそれぞれ55億円、56億円上回る値段でEXITしており、売却を通じて約25%、85%の投資リターンを上げているので、目利きが良いのかもしれません。

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