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【書評】わかりやすい&読みやすい金融の本「金融と法 企業ファイナンス入門」

2021/04/16
 

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この記事を書いている人 - WRITER -
40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

以前、同僚から薦められた金融関係の本です。金融と一言でいっても、お金を借りるローンであったり、危ないイメージを持つ連帯保証人とか、保険とか、証券や銀行等々、幅広くあり、これまで目にしてきた本は、どれかに偏った内容となっており、網羅的・体系的に身に着けるには難しいな~と思っていました。

が、大垣尚司(おおがき ひさし)教授が執筆しているこの本「金融と法 企業ファイナンス入門」は、金融全般について、とてもわかりやすく書かれており、しかも読みやすいです

金融というと、証券・不動産会社が胡散臭い営業トークをしてくる機会が多いのですが、普段意識していなくても、金融にはいろいろな法律がついて回ってくるため、本書では要所要所で法的な考え、視点が取り入れられています。銀行・証券等の金融にモロに関係する人だけではなく、事業会社の経営企画、経理、財務、税務などに携わる人も一読の価値がある本だと思います。金融パーソンなら入社前に読んでおくべき(あるいは社会人1年生の)必読書ではないでしょうか。

以下の章立てで構成されていますが、各章の中で論点・議論が完結するようなものではないので、逐次、参照リンクが振ってあります。他の本(通常、多くの本)では、”pXXX参照”だけで終わっており、いざ、そのページに行ってみても、そのページの中のどこを参照すればよいか、すぐに見つけられないことが多々あります。本書が、他の本と異なる特徴として、段落ごとに番号が振ってあることだと思います。段落ごとに1-1、1-2・・・と振ってあり、リンクは”pXXX参照”ではなく、1-1を参照するならば、“¶1-1″と記載されているので、すぐに該当箇所を見つけることができます

こういう配慮は嬉しいですし、大垣教授のセンスの良さを感じることができます。

章立てだけを見ても、幅広く学べることを読み取れると思いますし、まずは、必要な章だけを先に見て、理解するという使い方もできると思います。私も、業務に必要な知識の箇所を中心に見ましたが、最終的に全部読みました。(ボリュームがそこそこありますが、適宜、図が挿入されており、イメージを膨らませながら、読み進めることができるので苦にはなりませんでした。)

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大垣教授は、現在、青山学院大学教授・金融技術研究所長に就いているようですが、大学生の時に、この教授の授業を受けてみたかったです。

  • 第1章 金融の基本概念① 金融ー現在価値ーリスク
  • 第2章 金融の基本概念② 企業ーバランスシートー金融仲介
  • 第3章 金融の基本概念③ デットーエクイティーー資本市場
  • 第4章 株式会社におけるエクイティー型投資ファイナンス① 起業と株式の設計
  • 第5章 株式会社におけるエクイティー型投資ファイナンス② 株式の流通と出口戦略
  • 第6章 株式会社におけるエクイティー型投資ファイナンス③ 自己金融と増資による資金調達
  • 第7章 デットファイナンスの基礎
  • 第8章 金利の基礎知識
  • 第9章 間接金融機関
  • 第10章 市場型デットファイナンス
  • 第11章 市場型間接金融① シンジケートローン
  • 第12章 市場型間接金融② ローンセール市場
  • 第13章 市場型間接金融③ 投資ファンドと投資理論のつかみ
  • 第14章 市場型間接金融④ 投資ファンドとCIV
  • 第15章 信用補完① 破綻前信用補完と責任財産の保全措置
  • 第16章 信用補完② 人的信用補完
  • 第17章 信用補完③ 物的信用補完

今は、金融と法の続編として位置付けられている”金融から学ぶ会社法入門”を少しずつ読み進めています。ボリュームありますが、条文の順序を追って・・・ではなく、会社のライフサイクルに沿った切り口で読み進めることができます。(読書自体に時間をもっと割きたい今日この頃です。)


楽天から購入される場合は、こちらから。

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