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【書評】ファイナンス思考

 
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読書家 兼 投資家。 自分の経験・知見、考えていること、感じ取ったことを資産として、残していきたいと思います。

2018年7月に上梓された「ファイナンス思考」(朝倉祐介氏 著)本を積読状態で放置していましたが、つい最近、手を取って一気読みしました。

読書対象者

読後感として、読書対象者は、以下のような方が当てはまると思います。

  • 新社会人
  • 会計(BS、PL)を把握していると思っているつもりでも、キャッシュフロー(CF)、割引現在価値(NPV)への理解に及んでいない、時間軸の概念が疎かになりがちな人
  • 事業判断を求められる人
  • 長期投資家を自負する人

 

今日の日本企業の宿痾と処方箋

多くの日本企業、ビジネスパーソンは近視眼的に毎日を送っていると思います。特に、(i)期間損益計算を前提としたPLにおいて、KPIを売上などのわかりやすい指標・判断しやすい指標に置いていること、(ii)BS、PLはわかりやすいものの、CFのイメージしづらさ・取っつきにくさ・面倒さなどもあって、PLを前提とした年度予算の設定・評価方式が末端まで染みついているのではないでしょうか。

これまでの延長線上にある現代日本社会について、この書籍は、そのような日本社会(会社)を変えるべく現状を指摘し、また、日本からAmazonのような(損して得を取る、会社を大きくする)会社が生まれないことを説明しています。

読みやすく、2~3日もあれば、さくっと読めるかと思います。

私なりのコメント

本書のpp74-76に以下のようにファームのビジネスと特徴が紹介されています。

フレームワークを駆使して会社の問題を解決しようとするのが、伝統的な経営コンサルティング・ファームのアプローチです。問題に対する答えが存在することを想定し、数ヶ月の時間を費やしてその答えを特定し、実行していこうとする点で、伝統的な経営コンサルティング・ファームの手法は計画経済的な側面を有しています。

・・・

価格や競合製品、顧客が急変しない、不確実性の低い市場環境であれば、時間をかけて最適なマーケティング方法を検討する猶予もあります。計画経済的な経営手法が極めて有効に機能するのです。

・・・

目の前の競争環境が短期間に一変してしまうようなダイナミックな市場では、1年前の競争環境や市場予測を前提として事業方針を組み立てることができません。

本書の本質に対するコメントからは乖離しますが、上記を踏まえると、東大生などの難関大学に入学できる、与えられた問題を卒なく解くことができる受験勉強が得意な人が向いていると思います。一方で、自分で問題を設定することも求められるため、研究室で試行を繰り返して研究していた理系大学院生はコンサルファームに向いていると思います。

個人的に、コンサルファームは他社事例・ベンチマークを膨大に蓄積しているだけにしかすぎないため、そのナレッジを借りる分には有効かと思いますが、ファーム自身に課題解決力はないので、そのナレッジに高いフィーを払うかどうかは疑問です。(なにかあれば、外部に責任を転嫁して、社内の立場上、自分は責任を負わないという、保険料程度ではないでしょうか。べらぼうに高いですが・・)

昨今、コンサルファームからベンチャーにCXOとして転職される方が目につきます。ビジネスアナリストやアソシエイトなど呼称は異なりますが、一度も昇進もできずに(同僚・上司から認められずに)アウトせざるを得ない人が、あーだこーだと、デキる風を装ってベンチャーのCXOに就いている傾向にある気がします。組織の中で認められずにアウトせざるを得ない自分を、素直に受け入れずに(受け入れられずに)ベンチャーのCXOに就いて自己肯定しているだけかと思います。このような方が相応のポジションに就いている場合、経歴が綺麗なので投資家ウケはいいかもしれませんが、腰が据わっているか否か見極めたうえで、ベンチャー投資をしたいですね。(やりたいことが見つかったからコンサルファームを退職して起業すると言い訳もアリかと思いますが、せめて一度は昇進経験をしたうえで起業してほしいと思います。)

2社ほどベンチャー企業に投資していますが、私は、経営者や相応のポジションに就いている人の”素直さ”を重視して投資しています。”人柄”と言ってもいいかもしれません。私がこれまでに会ってきたコンサルファーム出身の経営者やCXOは限られるため母集団は少ないですが、マッ●ンゼーで昇進できずに退職した人は、プライドが相当高く、非を認めない傾向にあるかな、と思います。

人事部でコンサルファーム出身者を採用されようと思っている方は、応募者のバックグラウンドだけでなく、その組織で昇進経験があるか否かも見たほうが良いと思います。

 

書籍の目次

はじめに
第1章:  PL脳に侵された日本の会社とビジネスパーソン
第2章: ファイナンス思考なくして日本からアマゾンは生まれない
第3章: PL脳に侵された会社の症例と末路
第4章: ブロックチェーンの応用(3) 証券業に革命的変化
第5章: なぜPL脳に陥ってしまうのか
特別付録: 会計とファイナンスの基礎とポイント

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