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【為替】2020年7月~9月の3ヶ月間を振り返る。トルコリラ崩壊

 

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40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

7月~9月の3ヶ月間は待ちに待ったバカンスシーズンということもあり、コロナのことをいったん忘れてしまうかのような、(一部の通貨を除いて)方向感の乏しいマーケットでした。手を出すなと言われても、一部の通貨(トルコリラ)に手を出そうとする投機家の心境を聞いてみたいです。

リスク・リターンのプロット等を用いて視覚化しますが、視覚化にあたって、無料でヒストリカルデータをダウンロードできるDUKASCOPYから取得する為替の日次データを基に為替のリスクリターンを簡便的に検証しました。その際、外為情報ナビにて公開されている政策金利を基に、日本と相手通貨の政策金利差をスワップポイントとみなして、スワップポイント考慮後の為替のリスクリターンを簡便的に検証しました。

2020年7月~9月の総括:トルコリラは短期でもロングポジションは非推奨

2020年7月1日時点を100として指数化したグラフは以下のとおりです。7月から9月の3ヶ月間は、トルコリラは他通貨の動きとは異なる方向を示しており、円高まっしぐらです。たった3ヶ月で15%ほども円高に進んでいます。

少し、期間を伸ばして2020年1月1日時点を100として指数化したグラフは以下のとおりです。1月後半から徐々に始まったコロナ禍によってスティープに円高に向かったものの、トルコリラを除いて緩やかに円安方向に舵を取っています。

7月から9月に絞って、スワップポイントを考慮に入れない場合、ロングポジションのリターン(年率)がプラスの通貨はユーロ、ポンド、豪ドル、NZドル、南アランド、メキシコリラでした。特に、豪ドル、NZドル、ポンドは同水準のリスク(7%~8%)ですが、豪ドルのリターンが最も大きいです。(8%)

政策金利をスワップポイントとみなして、年率換算後リスクリターンのグラフ化を試みました。トルコリラの政策金利は2020年9月時点において10.35%であり、他の通貨の政策金利よりも相対的に大きい水準です。スワップポイントを考慮しない場合のトルコリラのリターンは-44%であり、スワップポイントを考慮しても引き続き、マイナス圏(-3%)です。短期においてトルコリラをロングポジションで保有する意義を見出すことは難しいです。どうしても取引したい方は超短期(せいぜいオーバーナイト)で取引したほうが良いかと思います。

為替ポートフォリオ戦略取るなら、豪ドルを加えるのも一案。トルコリラは混ぜるな危険。

長期で捉えた場合、豪ドルと各国通貨の為替変動の相関は低い傾向にあります。2010年5月から2020年9月までの期間を見ると、豪ドルの相関係数は他通貨と比較しても低い傾向にあり、緑色で表示されます。長期的に見て、豪ドルは他通貨に対して相関がない(弱い)という前提に立つと、例えば、米ドルを買いつつ、豪ドルも買うことで、同じロングポジションでありながら、米ドル安の際にその影響を緩和できるのではないかと考えられます。為替ポートフォリオ戦略を考える際に豪ドルを保有するということも一案としてありえます。

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対象期間:2010年5月9日~2020年9月30日

2020年7月~9月の3ヶ月間において、トルコリラが他通貨と比較して相関が弱くなっています。他通貨が方向感のない展開の中でトルコリラだけ円高に進んでいるから導き出されることであり、短期間における相関が低いということだけをもって、長期を視野に入れたポートフォリオにトルコリラを組み入れることは無謀かと思います。

対象期間:2020年7月1日~9月30日

 

経済合理性のある通貨は、やっぱり米ドル

2008年1月1日を100として指数化したグラフ(トルコリラについては、DUKASCOPYからデータを取得できる2010年5月9日を100としています)は以下のとおりです。2008年1月1日と比較して、2020年9月30日の為替水準が100を超えている通貨はありません。(ドルは96.24でした)トルコリラについては、2010年5月9日と比較して、約78%も円高に進んでいます。(1トルコリラ=60円が13.5円にまで円高に進んでいます)

DUKASCOPYからトルコリラの為替データを取得できる2010年5月9日から2020年9月30日までを対象に、年率換算後、スワップポイント調整後リスクリターンをグラフにしました。ざっくりと言えることは、

  • 同程度のリスク水準であるユーロ、ポンド、豪ドル、ニュージーランドドルから選択するとしたら、ニュージーランドドル
  • 同程度のリスク水準である南アランド、トルコリラ、メキシコペソから選択するとしたら、メキシコペソ
  • 同程度のリターンから見てみると、南アランドよりもニュージーランドドル
  • 面白みがなくても、手堅いのは米ドル(ユーロ、ポンド、トルコリラ、豪ドルよりも米ドル)

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