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【為替】2019年7月~9月の総括:ポンドに翻弄

 

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40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

2019年もあっという間に9か月が経ち、残り3ヶ月を切りましたが、FXの戦績はいかがでしょうか。2019年7月から9月までの為替の総括をしたいと思います。突発的な円高に見舞われ含み損を抱えている方・損切りをした方が多いのではないでしょうか。

派手に動くポンドガールに手を出して火傷を負った方(火傷で済まずに市場から退出せざるを得なかった方)も多いかと思います。私もポンドを一時期保有していましたが、乱高下&急速な円高に心底穏やかではなく、損切りしました。(耐えて10月半ばまで保有していれば、プラスに転じていましたが、そこまで胆力はありません。一方で、メキシコペソは定期的にスワップポイントを重ねてくれましたが、ポンドの火遊びで負った火傷の回復には至っていません。)

残り3ヶ月しかない、まだ3ヶ月もある、いかようにも解釈できますが、確定申告を見据えると繰越控除が目に見えてきました。(ポンドに手を出さず、メキシコペソのみを保有しておけばよかったです。)

リスク・リターンのプロット等を用いて視覚化しますが、4月~6月と同様に長期保有される方には忍耐・胆力が求められ、短期投資家には潮の変わり目を捉えるのが難しいマーケット環境(ロングだけではなく、ショートも駆使しないと辛い時期)だったと思います。

視覚化にあたって、無料でヒストリカルデータをダウンロードできるDUKASCOPYから取得する為替の日次データを基に為替のリスクリターンを簡便的に検証しました。その際、外為情報ナビにて公開されている政策金利を基に、日本と相手通貨の政策金利差をスワップポイントとみなして、スワップポイント考慮後の為替のリスクリターンを簡便的に検証しました。

 

2019年7月~9月の総括:スワップポイントがなければ、どの通貨もBUY&HOLDは負け

2019年7月1日時点を100として指数化したグラフは以下のとおりです。

円高基調であり、突発的な急落も見られたため、ロングポジションを取っている方にとっては忍耐(あるいは損切の覚悟・潔さ)を求められるマーケット環境でした。スワップポイントを考慮に入れない場合、ロングポジションのリターンは、すべての通貨でマイナスです。特に南ア・ランドのマイナスが顕著です。

政策金利をスワップポイントとみなしてグラフ化を試みました。トルコリラの政策金利は6月時点において24%でしたが、9月までの3ヶ月の間で16.5%にまで下がりました。ドラスティックに金利が引き下げられているものの、他の通貨の政策金利よりも相対的に大きいため、案の定、見づらいグラフになってしまいました。

トルコリラを外したグラフは以下のとおりです。結果として、米ドルとメキシコペソはスワップポイントに助けられ、プラスのリターンを維持できています。なお、米ドルとメキシコペソのリターンは、同程度であるものの、メキシコペソのリスクは米ドルの2倍程度もあるので、同じリターンを得るならば、よりリスクの低い米ドルを保有する方が合理的であるということができます。

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為替ポートフォリオ戦略として豪ドルを保有すべきか?

通常、豪ドルと各国通貨の為替変動の相関は低い傾向にあります。例えば、2014年4月1日から2019年9月30日までの期間を対象に相関係数を算出したところ、豪ドルは米ドル、ユーロ、ポンドなどの主要通貨に対して相関が見られず、また、同じオセアニア通貨であるニュージードルと比べても相関は見られません。長期的に見て、豪ドルは他通貨に対して相関がないという前提に立つと、例えば米ドルを買いつつ、豪ドルも買うことで、同じロングポジションでありながら、米ドル安の際にその影響を緩和できるのではないかと考えられます。為替ポートフォリオ戦略を考える際に豪ドルを保有するということも一案としてありえますが、2019年7月~9月を見る限り、相関係数が高く、ヘッジ効果を期待できないことがわかります。

対象期間:2019年7月~9月

参考(対象期間:2019年4月~2019年9月)

経済合理性のある投資は、やっぱり米ドル

DUKASCOPYからトルコリラの為替データを取得できる2010年5月9日から2019年9月30日までを対象に、年率換算後、政策金利調整後リスクリターンをグラフにしました。そうすると、上記で見た2019年3Qでは、政策金利に助けられ(?)トルコリラが一人勝ちのように見て取れますが、全く違う姿が見えてきます。トルコリラはリスクが高い(17%)の割に、リターンは2%程度です。一方、米ドルはリスクが9%程度である一方で、リターンは2%強です。以下のグラフを踏まえると、トルコリラと米ドルどちらかを選ぶとしたら米ドルを選択することが合理的な選択と言えます。

米国株投資をしている投資家は実感を持っているのではないかと思いますが、過去を振り返る限りにおいて、ドル高と米国株相場の上昇というダブルで恩恵を得ることができています。

年末に向けて

米中貿易摩擦の先行きが見えない状況ですが、もしもの際に参戦できるように、現金保有高を積み重ねて、突発的な円高(チャンス)に備えようと思います。

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