amazonを知る。そして、駆逐されない百均企業への投資を考える
先日、”amazon 世界最先端の戦略がわかる“という本を読みました。著者は成毛眞さん。名字が珍しく、どのように読むのかわからなかったのですが、”なるけ まこと”さんというのですね。この本を通じて読み方を知った元マイクロソフト日本法人の社長です。
社長(創業者)が自社について書いた本をよく目にしますが、成毛さんはamazonに勤めたことのない部外者にも関わらず、amazonをしっかりと調べて、書き尽くしていると思います。本当に部外者なのか?と思うくらい、とても詳しく書かれています。
この本を読むことで理解できること:
- amazonと楽天のビジネスモデルの違い
- amazonが楽天を突き放して級数的に成長し続けている背景
- amazonが日常生活の至るところに進出している背景
この本を読んで背筋が寒くなったと思ったことは・・
- もし自分が差別化できていない小売業を営んでいるとするならば、amazonを敵に回したくないけど、amazonを使わないとビジネスを大きくできない、
- でも、一度使ってしまったら最期、首根っこを押さえられて、amazonの奴隷として働かざるを得ない
小売業は生き抜くうえで、特徴を出していかないとならないということを痛感させられる一冊です。
Death by Amazonという表現があるように、既存のリアル店舗・小売店がAmazonで駆逐され、倒産していく中で、いわゆる百均ショップ(dollar store)は、現在、駆逐されない領域ではないでしょうか。何でも100円というコンセプトは、配送料が100円を下回らない限り、amazonは手を出せないのではないでしょうか。ただ、移動する人が目的地に行くついでにモノも運ぶという、誰もが配送人になりうる環境が整ってしまうとどうなるかわかりませんね。。
ちなみに、アメリカの百均ショップ(DLTR: Dollar Tree, DG: Dollar General)と代表的な小売り店(M: Macy’s, WMT: Walmart )の株価推移を比較してみたら、驚愕でした。
2014年初から2019年初まで。DLTR/DGは上昇基調ですが、M/WMTは下落基調/横ばいです。
青色がDollar Tree、水色がDollar General、ピンクがMacy’s、オレンジがWalmartです。
2000年初から2019年初までを見てみると、とんでもない開きです。amazonをはじめとするネットビジネス・e-commerceがリアルを駆逐した結果とも言えると思います。リアル店舗は、生き残るためには何をすべきか?何をすべきでないか?を今一度考えないといけないと思います。
ちなみに、本書の目次は以下のとおりです。
- プロローグ: アマゾンがなかったら生活できないかも
- 第1章: 「品揃えが大量で、安い」を実現する仕組みとは
- 第2章: キャッシュがあるから失敗できる
- 第3章: アマゾンで一番利益をあげているAWS
- 第4章: アマゾンの「プライム会員」とは何なのか
- 第5章: アマゾンからM&Aを知る
- 第6章: 巨大な倉庫と配送力で物流を制す
- 第7章: プラットフォームの主になるには
- 第8章: アマゾンを底ざさえするのがテクノロジー
- 第9章: アマゾンという組織
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