【書評】日本語の作文技術:わかりやすい文章は、読み手にフレンドリー
文章を書くにあたって、注意すべきことは色々とあるかと思います。表現一つとっても、例えば、”美しい”を表現するにしても、「綺麗」、「可憐」、「見目麗しい」等々、様々な単語があります。
参考:Weblioの類語辞典
読み手にとって、わかりやすい文章を書くことをトコトン追求した書籍を紹介したいと思います。
【新版】日本語の作文技術 (朝日文庫)(本多勝一 著)★★★★★(私的には、星5つです。)
日本語ネイティブの日本人は、日本語を操るにあたって特に意識したことないかと思いますが、道具として日本語を文章として残すことは、スキルとも言えます。ネイティブだから誰もがこのスキルを備えているわけではありません。練習して身に着けるスキルです。この本は、修飾の順序であったり、句読点の打ち方をこれでもかというくらい、反復します。新社会人に限らず、稟議書を書く人、日頃から活字を通じて物を伝えることを仕事にしている人にお勧めしたい書籍です。
目次
第一章 なぜ作文の「技術」か
第二章 修飾する側とされる側
第三章 修飾の順序
第四章 句読点のうちかた
第五章 漢字とカナの心理
第六章 助詞の使い方
第七章 段落
第八章 無神経な文章
第九章 リズムと文体
例として、この書籍の一部(p90)を挙げると、「渡辺刑事は血まみれになって逃げだした賊を追いかけた」では、血まみれになっている人は、渡辺刑事なのか、賊なのかわかりません。
一方で、テン(、)を入れると、「渡辺刑事は血まみれになって、逃げだした賊を追いかけた」では、血まみれになっている人が渡辺刑事であることがわかりますし、「渡辺刑事は、血まみれになって逃げだした賊を追いかけた」では、血まみれになっている人が賊であることがわかります。
私が小学生であった時に国語の教科書に”ことばの泉”という単元があり、文法を学んでいましたが、大人が学びなおす、伝えたいことを正しく伝える、読み手にわかりやすく伝えるにあたって、この書籍は最適だと思います。
繰り返しますが、新社会人に限らず、稟議書を書く人、日頃から活字を通じて物を伝えることを仕事にしている人にお勧めしたい書籍です。
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