【2764】ひらまつを見るときのポイント
最近のひらまつを表わすと、「縮小する婚礼事業、拡大模索する滞在型レストラン事業」といった表現がぴったりかと思います。
高級フレンチ等を運営し、一部上場をしている「ひらまつ」は、1982年に「ひらまつ亭」を西麻布にて開店した後、1988年に店舗を西麻布から広尾に移転し、「レストランひらまつ」に改名しました。1994年に株式会社化し、「デプレ」や「ミケランジェロ」といったカフェ事業や婚礼事業への進出します。
2003年の上場以降、首都圏をはじめ地方への出店を加速させ、さらに、ポール・ボキューズといった著名料理人とブランド等を冠したレストランの展開について提携します。
2016年には伊勢志摩サミットが開催された賢島(かしこじま)、東京からのアクセスが良い熱海・仙石原にそれぞれホテルをオープンさせ、本格的にホテル事業に進出。
2017年9月には京都に料亭をオープンしました。
レストラン事業に注力していた時は、高利益率、高効率でROE20%は当たり前でしたが、ホテル事業に進出して以降、これまで見られた効率は低下傾向、利益率も低下傾向です。
ホテル事業に進出した背景として、婚礼売上の逓減が考えられます。2011年9月期の売上における婚礼営業の割合は50%でしたが、直近事業年度では40%を切っています。通常、土日に結婚式を挙げることが多いと思いますので、週6日の営業として、土日の2日間(一週間の33%)で、売上の50%を稼いでいたことになるので、レストランを高効率で経営する上で、婚礼はなくてはならないものと考えられます。
個人的には、豪華旅館の客室露天風呂や、豪華ホテルのプール等々を利用してみたいですが、投資家という目線で捉えると、正直、厳しいな~と思います。ホテル事業を、レストラン事業と同様、高利益率・高効率経営をできるのか、疑問です。
真山 仁著の「ハゲタカ2.5(上)」、「ハゲタカ2.5(下)」においても、
高級ホテルや老舗旅館を手に入れるファンドは多い。だが、鷲津は買収対象としてのホテル業界には興味がなかった。高い稼働率を維持するための経営努力が並大抵でないからだ。ホスピタリティを追求しようとすれば人件費が膨らみ、たとえ大盛況であっても利益率が上がらないというジレンマに落ち込む
とか、
ああいうのは客として遊べるからいいのよ
とホテル業界への投資について、ネガティブに触れられています。
ひらまつ関連の他の記事はこちらから