Experience in life is Asset

【投資】音楽が鳴り終わる前に、パーティー会場から退場しましょう

 

Sponsored Link




Sponsored Link




この記事を書いている人 - WRITER -
40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

興冷めな発言をしますが、音楽が鳴っている間にパーティー会場から出ましょう。二次会やコンサート、試合観戦などで賑わっている間、和気あいあいとしている時間は楽しいですが、時間が来て、音楽が鳴り終わったら、試合終了のホイッスルが鳴り響いたら、みんな帰ります。ただ、出口は大勢の人で混雑するため、スムーズに出口にたどり着けるとは限りません。出口が混みだす前に、出ましょう。

これは、投資の話です。

音楽が鳴っている間は、踊り続けなければならない

「音楽が鳴っている間は、踊り続けなければならない。」こういう表現を耳にしたことがある方もいるかと思います。2007年7月にシティグループCEO(当時)のチャック・プリンスがフィナンシャル・タイムズ紙のインタビューに回答したものです。なお、その後、金融危機が発生し、市場は大混乱に見舞われ、多くの企業が姿を消しました。

When the music stops, in terms of liquidity, things will be complicated. But as long as the music is playing, you’ve got to get up and dance. We’re still dancing

米中貿易摩擦や日韓輸出管理強化などなど、犯人捜しのネタがごろごろと転がっていますが、犯人が誰であれ、音楽を止める者が現れます。個人的には、CLOであろうと見ています。

 

CLO、それは企業向けサブプライムローン

Collateralized Loan Obligationの略で、ローン(貸付金)を裏付資産とした金融派生商品(ローン担保証券)であり、信用力の低い企業向けの融資を束ねて証券化した金融商品です。例えば、シングルBの会社に対するローンを証券化したうえで、投資家の求める選好に基づいて、ハイリスク・ハイリターン投資家用のエクイティ(格付けなし)、ミドルリスク・ミドルリターン投資家用のメザニン、ローリスク・ローリターン投資家用のシニアにざっくりと分類されます。

が!

Advertisements

元々の原資産は、シングルBの会社に対する貸付金なので、この会社がデフォルトすればシニア(AAA)であってもデフォルトします。ただ、原資産を複数の信用力の低い企業に対する貸付金から構成することで、1社デフォルトしても、他の企業のデフォルトに波及しないとの前提の下、仕組まれています。ただ、同時デフォルト確率が低いという前提は、サプライチェーンが複雑な現在、連鎖倒産はないと言い切れるのか、疑問です。2007年に、新潟で起きた地震の影響で、とある企業の生産ラインがストップしたことを受けて、トヨタや日産が完成車製造ラインが一時停止に追いやられました。->記事

したがって、農林中金が2019年3月末時点で7兆円ものCLOを保有しているものの、すべてAAA格というのは、リスクの本質を把握しておらず、頭が悪い証拠(リーマンショックから何も学んでいない証拠)です。雇われの金融ビジネスパーソンが、毎月安定した給料をもらって、博打を打つことに疑問です。CLOの中身・原資産となっているローンの貸付条件、借手である企業の業績、CLOに組み込まれている企業間の相関など、しっかりと吟味したうえで、購入しているのであれば、いいのですが、AAAだから投資するという思考停止状態だと思います。

有象無象の集団を集めて、上位●%にAAAをつけるにしても、もともとの母集団が有象無象の集団ですので、そのなかで付けられたAAAを社会全体で見た場合、価値はありません。

ちなみに、上記のローンを住宅ローン、企業を個人に読み替えると、サブプライムローンになります。

農林中金のIR資料が胡散臭い

農林中金のIR資料(2019年度第1四半期 決算概要説明資料)のAppendixに、CLOに関する説明だけが、わざわざ追加されていますが、この情報をどこまで信用すればよいのでしょうか。「厳格な基準」、「個別銘柄・業種の分析」、「独自ガイドライン」、「独自の厳格なストレステスト」・・・あまりにも定性情報すぎて、判断できません。CLOの市場規模は65兆円ほどなので、農林中金だけで市場全体の10%以上を保有していることになるのですが、厳格な基準を設けた結果、市場全体の10%以上も保有するのは市場が健全なのか、厳格な基準がザルなのか・・・?市場が健全であれば、多くの機関投資家が買い漁るはずですが、そうしない理由はなぜなのか?

証券会社にしてみれば、農林中金は格好のカモであることに変わりなさそうです。

Sponsored Link




この記事を書いている人 - WRITER -
40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

Sponsored Link




Sponsored Link




- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Copyright© おカネとホンとタビのはなし , 2019 All Rights Reserved.