【クルーズ旅行】意外と知られていないクルーズ運航会社あれこれ
ワクチン接種も広まり、クルーズ会社が運航を再開し始めています。クルーズ旅行好きの私たちにとっては、嬉しいニュースです。ちなみに、クルーズ会社は、ラグジュアリーからカジュアルなファミリー向けまで複数のブランドを持っており、収容人数が多いほどファミリー向けで価格は安いです。(クルーズ業界は固定設備産業のため、収容人数が増えるほど1人あたりが負担する金額が減るという感じですね。ラグジュアリーなほど、船は小さくなり、また、乗船客と船員の比率が1に近づいていきます。)
クルーズ旅行する際は、普段、Oceania CruiseやMSC Cruiseしか使っていないので、他のクルーズについて調べてみました。クルーズ業界の大手4社(カーニバル、ロイヤルカリビアン、ノルウェージャン、MSC)について、運航会社毎に見てみたいと思います。Crystal Cruiseを運航するGenting Hong KongやDisney Cruiseを運航するWalt Disney Companyを紹介したいですが、長くなるので、ここでは割愛します。なお、カジュアル・プレミアム・ラグジュアリーの分類に明確な基準はなく、私の主観も入っています。
目次
カーニバル・コーポレーション(CCL)
カーニバル社は、保有隻数が90隻超で、売上高・保有隻数共に世界一のクルーズ業界最大手です。私は、まだ利用したことがありません。カジュアル船が有名ですが、クイーンエリザベスで有名なCunardやラグジュアリーなSeabournもポートフォリオに組み込んでいます。なお、乗船客定員・乗船員は、各船における定員を単純平均したものです。比率は、乗船員1人に対する乗客の数を意味しています。
カテゴリー | 運航船数 | 乗船客定員(A) | 乗船員(B) | 比率(A)/(B) | |
カジュアル | 24隻 | 2,998名 | 1,175名 | 2.55 | |
カジュアル | 14隻 | 3,037名 | 1,180名 | 2.57 | |
カジュアル | 13隻 | 3,421名 | 1,139名 | 3.00 | |
カジュアル | 13隻 | 2,544名 | 716名 | 3.55 | |
プレミアム | 11隻 | 2,074名 | 865名 | 2.40 | |
カジュアル | 6隻 | 3,161名 | 1,260名 | 2.51 | |
プレミアム | 3隻 | 2,400名 | 1,041名 | 2.30 | |
ラグジュアリー | 3隻 | 2,277名 | 1,092名 | 2.08 | |
ラグジュアリー | 6隻 | 473名 | 318名 | 1.49 |
ロイヤル・カリビアン・グループ(RCL)
業界第二位のロイヤル・カリビアンは、保有隻数が65隻超です。カーニバル社と同様に、カジュアル船が多いものの、ユニークな航路を展開しているのが特徴でもあります。
Celebrityの中には、乗船定員が100名に満たないようなスモールラグジュアリーシップもあり、ガラパゴス諸島周遊系のクルーズを定期運航しています。(ただ、ガラパゴス諸島周遊クルーズだけは、値段がラグジュアリー並に高いです。1週間、1人あたり8,000ドル~)
Silverseaの中でも、ウルトララグジュアリーとカテゴライズされるクルーズは、ガラパゴスや南極大陸にも行きます。(6日間、1人あたり15,000ドル~)
カテゴリー | 運航船数 | 乗船客定員(A) | 乗船員(B) | 比率(A)/(B) | |
カジュアル | 26隻 | 3,616名 | 1,359名 | 2.66 | |
プレミアム | 14隻 | 2,118名 | 956名 | 2.21 | |
ラグジュアリー | 10隻 | 400名 | 287名 | 1.39 | |
プレミアム | 4隻 | 694名 | 384名 | 1.81 | |
カジュアル | 6隻 | 2,524名 | 1,015名 | 2.49 | |
ラグジュアリー | 5隻 | 322名 | 234名 | 1.38 | |
カジュアル | 3隻 | 2,437名 | 747名 | 3.26 |
ノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス(NCLH)
業界3位のノルウェージャンですが、カジュアル、プレミアム、ラグジュアリーのポートフォリオを揃えています。そのほか、ハワイ諸島を周遊するPride of Americaも、ノルウェージャンが運航しています。
Oceaniaは、グルメシップを謳っていることもあり、ご飯は基本的に美味しいです。ご飯にハズレはないですが、アメリカの会社が経営しているということもあってか、一皿一皿のポーションがとにかく大きいです。どのレストランもロブスターを使った料理を用意しており、アジアンレストラン(Red Ginger)では、ロブスター・パッタイを食べることができます。(私のお気に入りです。)こじんまりとした小さなエビではないです。パッタイの常識を覆す一品です。Oceaniaのクロワッサンは、毎日、船内の厨房で生地から作られます。
7日間のクルーズで太ることは間違いないのですが、ご飯は美味しいので、体重を忘れて旅行を楽しみ、ダイエットは下船後にしましょう。
カテゴリー | 運航船数 | 乗客船定員(A) | 乗船員(B) | 比率(A)/(B) | |
カジュアル | 17隻 | 2,977名 | 1,310名 | 2.27 | |
プレミアム | 6隻 | 875名 | 520名 | 1.68 | |
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ラグジュアリー | 5隻 | 679名 | 465名 | 1.46 |
Mediterranean Shipping Company
クルーズでは業界第4位ですが、本業はコンテナ船事業のMSC。MSCクルーズのMSCは社名の略称です。スイスのジュネーブに本社を置く、世界有数の海運会社であり、ファミリー会社でもあるMSCの本業は、コンテナ船です。イタリア発祥の船ということもあってか、ピザが抜群に美味しいです。
カジュアル船なので、ビュッフェ形式のメインダイニングは、高級ファミレス(ロイヤルホスト)といった感じです。ドリンクバーのジュースは飲み放題ですが、着色が凄く、ステンレス製の水筒に入れると、色が落ちるまで、結構、念入りに洗わないとならないです。ジュースを注文するなら、有料のフレッシュジュースがお勧めです。
家族連れが多く乗り込むので、静かに過ごしたい人には向いていないです。
カテゴリー | 運航船数 | 乗船客定員(A) | 乗船員(B) | 比率(A)/(B) | |
カジュアル | 20隻 | 3,623名 | 1,296名 | 2.79 |
カジュアル船の新造船はより大型へ
横軸に年、縦軸にキャパシティ(乗船定員)を示した散布図とその散布図を基にした回帰分析が示すように、カジュアルタイプの新造船は、よりキャパシティを増やす傾向が明らかです。プレミアムも、その傾向を認められますが、カジュアルタイプほどではないです。
一方、ラグジュアリータイプは量よりも質を重視していると思われますので、新造するにしてもそのキャパシティは増える傾向にはないです。
クルーズを見るうえで、もう一つ重視したいのが、乗船客の定員と船員の比率です。この比率が高いほど、船員は多くの乗客をケアしなければならないため、自ずと、乗客一人当たりの気配りが減ります。例えば、レストランで料理を注文したけど気づいてもらえない、なかなか料理が来ないといった具合です。カジュアルタイプのクルーズは軒並み、この比率が高いです。一方で、プレミアム、ラグジュアリーとなるにつれ、この比率は下がる傾向にあります。つまり、プレミアム、ラグジュアリータイプのクルーズほど、気配りがしっかりとしてきます。
OceaniaとAzamaraはプレミアムタイプの中でも、他のプレミアムタイプのクルーズと比較しても低いです。一方、この2つを比べるとすると、Oceaniaの方がAzamaraよりも新造年数が浅いので、個人的にはOceaniaが狙い目(コスパが良い)かと思います。コスパが良いと言っても、7日間のクルーズでも、それなりの値段はしますが。
力を入れていない地域はボロ船
日本近海、初周航というような記事を見かけた際は、その船がいつ建造されたかに注目してください。カネを落とさない国に、基本的に、新造船は来ることはありません。
日本はクルーズが物珍しいということもあって、コロナ前は徐々に火が付き始めていたということもありますが、いきなり新造船を寄こすことはないです。新造船に乗りたければ、カリブ海や地中海といったクルーズのメッカに行った方がよいです。
否定したい人もいるかもしれませんが、新型コロナウイルスで有名になった(?)ダイアモンド・プリンセスは2004年に就航開始です。15年以上前に建造された船が寄こされるのが日本近海です。
その他
実体験に基づいて、クルーズ旅行の記事をいくつか書いていますので、ぜひ、こちらもご参考ください。
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