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【書評】倒産の前兆 30社の悲劇に学ぶ失敗の法則

 

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40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

Kindleセールの際に購入した倒産の前兆 30社の悲劇に学ぶ失敗の法則を紹介しようと思います。自らの足で、国内最大級の企業データベースを作成している帝国データバンクが上梓した本だけあって、企業の憂き目とも呼べる倒産に関する情報はピカいちだと思います。

この本は、いわゆるこうすれば成功するという、To doをまとめたノウハウの本ではなく、こうしたら倒産したという倒産の事実をまとめた本です。何が倒産のきっかけになったのか、裏を返せば、何をしなければ倒産しなくて済むのかという勘所を端的に養える本だと思います。

1社1社の倒産に至るまでのストーリーはディープではありませんが、同じ轍を踏まないために、倒産の原因を知るということは慢心する経営者に楔を打ち込む一冊かと思います。(とは思いますが、本書に書かれていることを「しないように」気をつける経営者は経営者として大成するかどうかは疑問です。むしろ、経営者の右腕・参謀が一度は目を通しておいた方が良いと思います。

商社金融とは?

倒産とは関係ありませんが、本書を通じて新たに学べた点は、商社金融です。

商社金融とは、「商社が、商品の代金支払い猶予期間を通じて実質的に融資を行うこと」であり、商社金融を行うことによって、「取引先が仕入れや販売を行う際に、商社が商流に入ることで支払いサイトの長期化や、債権回収リスクの回避を行うことができるようになる」という利点があります。

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例えば、仕入れの観点からは、「A社がB社から前払いで商品を仕入れる際に、商社が間に入ってB社に前払いをし、A社は90~180日のサイトで代金にマージンを上乗せした額を商社に支払う。つまり、商社がまずA社に代わって立替え、90~180日のリスクを負担する代償としてマージンを得る」であり、販売の観点から、「C社がD社に販売する際に商社が間に入ると、D社からの回収リスクをC社の代わりに商社が負ってくれることになる」という整理となります。

私見ですが、一方で、商社金融は、資金繰りの観点から商社依存にならざるを得ず、商社を外したいと思ったとき、相応の苦しみが伴う、ヤクブツのような依存性の高い取引のように見て取れます

書籍の目次

本書は以下のとおり、構成されています。

  • はじめに 「倒産の前兆」はどの会社にも必ず存在する
  • 第1章 「急成長」は「急転落」への序章でもある
    • 急成長に対する信用不安が、得意先の破綻で決定的に
    • 信用失墜が企業の「死」 親密取引先の破綻で連鎖倒産
    • 「1.5秒に1本売れているシャンプー」そこからの転落劇は、なぜ起こったのか
    • 知られていても、選ばれ続けなかった――競争激化のなか売上大幅ダウンの最大の敗因とは
    • 小売店が陥るジレンマ――積極的な出店による急成長が、不採算店増加で転落
    • 法改正の追い風に乗った矢先の誤算積極的な設備投資が仇となる
    • 【column1】「倒産」とは何か?
  • 第1章 「外的要因」による倒産の足音
    • 「優れたビジネスモデル」だったはずが……市場の変化に追いつけず倒産
    • 工場再建、事業立て直しの意気高まるも……被災と不漁の二重苦であえなく倒産
    • 時代の変化と消費者ニーズに応えきれず、50年周年めの倒産劇
    • 業界の特殊性と時代の変化「出版不況」のなかで止まらない「取次」の倒産ドミノ
    • 地元で愛された百貨店が突然の閉店衰退しつづける百貨店業界への教訓とは
    • 相次ぐ時代の逆風のなかで足かせとなった中国進出
    • 追い風となるはずだったステーキブーム乗り遅れた要因は「安売り」と「新コンセプトの失敗」
    • 低迷続くアパレル業界にあって急成長するも、ますます悪化する市況を前に力尽きる
    • 【column2】なぜ、10年前のリーマンショックが、企業の経営に未だ影響を与えるのか?――外的要因が経営に及ぼす失敗の法則
  • 第3章 ベンチャー起業の急成長と急転落
    • 旧来の市場に風穴を開けたベンチャーを阻む大手の壁
    • 先行する理念に、経営が追いつかず「復興支援」の名の下に急発進するも2年足らずで失速
    • 太陽光ベンチャーを阻んだ制度の壁急成長企業の未熟さも足かせに
    • 「競合不在」のベンチャー事業でも最初から無理のあったビジネススキーム
    • 魅力的な不動産投資の実態は、詐欺まがいの利益構造だった
    • 【column3】まともな企業が、一社の不正で割りを食う――スマートデイズ、スルガ銀行不正に学ぶ失敗学
  • 第4章 犯罪に手を染めた経営者たち
    • 格安旅行の裏側にキックバック依存経営多額の粉飾決算に、社長らの詐欺行為
    • 売上減少、買収の末に手を染めた違法行為架空(多重)リースのプロトタイプ
    • 簿外債務は40億円粉飾決算と多重リースで資金調達
    • 経営の疎さにつけ込まれ……理事に食い荒らされたクリニック
    • 突如、明らかになった簿外債務35億円最後まで説明責任は果たされず
    • 「月間60億円」の架空取引が6年間循環取引の主舞台は中国だった
    • 経営陣の交代・奪還劇が招いた倒産粉飾決算も明らかに
    • 銀行が軒並み太鼓判を押した企業がなぜ?覆い隠された15年にも及ぶ粉飾決算
    • 【column4】令和への改元で業績が低迷する?
  • 第5章 裏切る社長、見捨てられる会社
    • 「成人の日当日の営業停止」で大混乱にあまりにも無責任な元社長の経営姿勢
    • 踏みにじられた愛社精神従業員が下した決断は「第三者破産」
    • 「ポンジ・スキーム」の自転車操業で3万人を超える会員に被害
    • バブル経済の熱に浮かされた「放漫経営」の行き着いた先は
    • 【column5】帝国データバンク調査員は見た!「潰れる会社」の兆候
  • 第6章 あの老舗はなぜ、失敗したのか
    • 299年目の破綻経済危機に足かせとなった老舗体質
    • 「日本一高い日本一うまい」老舗饅頭屋を破産に追い込んだ「史上最大の難事」とは
    • 抜群の知名度を誇るも倒産創業95年の老舗が陥った「孤立無援」
    • 「安定した堅い会社」が突然に……粉飾決算で覆い隠された〝内々の事情〟
    • 突如、債権者を襲った予期せぬ倒産「早めの終止符」は是か悲か
    • 【column6】あなたの会社は大丈夫?こんな社長と社員の会社は「倒産リスク」あり!
  • 第7章 あの上場企業はなぜ、倒産したのか
    • 「1社独占」「国家規模の受注」でも倒産要因は相場の低迷と過大投資
    • 必死の資金繰りも限界に達し上場企業が「異例」の手形不渡り
    • 「チャイナリスク」が顕在化した倒産劇事業を拡大しながら、いかにリスクを管理するか
    • 【column7】「体育会系組織」という病――「声の大きい者が勝つ会社」はなぜ破綻するのか?
  • 第8章 たしかにあった「倒産の前兆」――あなたの会社も他人事ではない
    • 数度の親会社変更の末に行き詰まる「自力経営できない脆弱性」が招いた倒産
    • 本業に専念していれば倒産は防げたか金融デリバティブ商品に潜むリスク
    • 〝ファン〟は多くとも抗えなかった業界不況主要取引先の倒産で業績悪化
    • 「皇族ご宿泊」だけでは食えない時代根本的な課題は見過ごされたまま倒産
    • 【column8】取引先は大丈夫? 部外者でもわかる「倒産の前兆」チェックリスト


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