【書評】ペンタゴン式ハードワークでも折れない心の作り方
2015年12月に上梓された、「ペンタゴン式 ハードワークでも折れない心の作り方」を紹介しようと思います。ハードワークな私の心身を案じて、紹介してもらった本でもありますが、キャリアのさらに上を目指す人にとって身に着けたほうが良い内容・習慣化したほうが良い内容が盛り込まれています。
本書は、ペンタゴンにて実践されている、折れない心をつくるためのお作法を紹介した本となっていますが、コロナウイルスに対する無能な日本のエリート官僚・霞ヶ関のお粗末な後手後手な対応を見ると、アメリカの国防総省(ペンタゴン)と同等の機能を持つ組織が日本にも必要ではないかと思えてきます。
もしも、ペンタゴンと同等の機能が日本にもあったら、クルーズ船内感染を最小限の被害に抑えることが可能だったのではないかとさえ、思えてきます。
想定外を想定しようとしない・シミュレーションしようとせず、与えられた問題をひたすら解き続けるだけの事務処理能力だけが高い、頭でっかちなエリート官僚とその上司に読んで欲しい本でもあると思います。
目次
書籍の目次
本書は以下のとおり、構成されています。
- 第一章: 「折れない心」を定義する 強い心のメカニズムを知りつくす
1: 「折れない心」と「強い心」は違う
2: 体が健康でなければ心は健康にならない
3: ピークパフォーマンスは、「緊張と弛緩の間」
4: 「しなければならない」があなたの心を蝕む
5: 人を支配する典型的な6つの恐れ
6: 恐れに支配された時に陥る「反応」を知る
7: 言い訳をあぶり出す
8: 状況よりも、問題の「原因」に注目する
9: ストレストリガーを明確化する
- 第ニ章: 「折れない心」を整えるペンタゴンの常識 心のキャパシティを増やす
10: どんな時も「息」を止めない
11: 心の静寂を習慣にする
12: 基本を何度でも繰り返す
13: ネガティブな思い込みは「もし〇〇だったら」と置き換える
14: 客観的情報を前提にせよ
15: 「儀式」を行う
16: 自分も他人も裁かない
17: 他人から与えられた限界を、自分の限界にしない
18: 自己暗示を利用する
- 第三章: 実践現場で自分を強くする 逆境や困難を受け入れる
19: どんなミッションも戦略ありきで考える
20: 今日、絶対にやることを3つだけ紙に置く
21: 計画は「たたき台」と思え
22: 意見の違う他人の考えを「道具」と捉える
23: 過去との類似性を見出す
24: 「真実」が複数存在することに気づく
25: 視点を変える4つの方法
26: 頭を冷やす
27: 「勇気ある撤退」もゴールの一つ
- 第四章: 想定外を乗り越えよ! 目の前にある困難、逆境に対処する
28: 直観を味方にする
29: 「とりあえず」始めない
30: 意思決定の流れに乗れ
31: 頑張らないことを選択する
32: 「変わる」を期待するのではなく「変える」
33: コンフォートゾーンをぶち壊す
34: 自分の弱さを認め、失敗を許す
35: 人に頼る
36: 心の軸を「今、ここ」に合わせて解決を進める
- 第五章: 「起こってしまった現実」に対処する 心の回復力を身につける
37: 「結果」思考ではなく「成果」思考をする
38: 勝手に「運命だ」と思わない
39: 不必要な人間関係を整理する
40: 正しく記憶と付き合う
41: 気持ちが「楽」になることを選択する
42: 現実を別の言葉で置き換え、対応する
43: 責任を取る
44: 誤った行為を選択しない
45: いつでも「真」の自分へ帰る
いくつか、気づきを紹介しようと思います。
姿勢を正す(p27)
頭が固く、エビデンス・事実関係を求めてしまう私には、以下の一節を見るだけで、意識的に姿勢を正してみようと思います。
実際の心理状態とは関係なく、意図的に背筋を正し、堂々とした姿勢を取るだけで、ストレスホルモン「コルチゾール」の値が25%も減少するというデータが出ている
p27より引用
ベッドメイク(p83)
テレビ番組で、強化合宿の紹介や競輪選手の育成学校、自衛隊の一日などに密着したシーンを見る際、一日は起床と共にベッドメイクから始まる旨紹介され、ベッドメイクできない新人がどやされるシーンがあります。意図を理解せずに、言われるがままにやっていると(あるいはテレビを見ていると)何も気づきがありませんが、なぜベッドメイクをするのか?ベッドメイクが重要なのか?と素朴な疑問に対する解が説明されています。納得です。
・・・「儀式」なのです。一日が始める時にベッドを整え、夜寝る時にはきちんと整えられた気持ちのよいベッドで眠りにつくーこうしたちょっとした習慣は、心身の極限まで追いつめられるブートキャンプという過酷な訓練時の、一つの安らぎにもなるものです。疲れた体を引きずってベッドに戻った時、その場所がきちんと整えられていることで、私たちは「明日も頑張ろう」と思えるのです。
p83より引用
・・・「緊急事態」というものがつきものです。しかし、こうした毎日全く変わらない儀式が「習慣」として行われることで、どんなに緊迫し、心に余裕がないような状況であっても、儀式の瞬間には目の前の現実にしっかりと戻ることができるのです。
p82より引用
ミリタリーケイデンス(p93)
自己暗示の一つであるミリタリーケイデンスとは、走ったり、腕立て伏せをしたりしながらある一定のリズムでフレーズを口に出して唱和するものです。”ミリタリーケイデンス”のキーワードを知らなくても、ファミコンウォーズのCMで馴染みある方も多いと思います。
自分が何か行動を起こす際の「テーマソング」を決めて、心の中でその音楽をイメージするだけでも、心が前向きになるはずです。
一番大事なこと
本を読んで終わり、ではなく、実践することです。
本書に書かれていることをすべて実践する必要はなく、日常生活に取り入れられそうなことだけを取り入れていけばいいと思います。(多くの人は読んで終わりで、何も実践していないと思います)
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