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【6577】ベストワンドットコム – セクシーではないクルーズ旅行代理店上場企業

 

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この記事を書いている人 - WRITER -
40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

近年、働き方改革によって、まとまった休暇を取りやすくなりつつこともあってか、クルーズ旅行が脚光を浴びていますが、注意喚起したいクルーズ旅行代理店企業(ベストワンドットコム)を紹介します。私は1度だけ利用したことありますがおススメしませんので、その点踏まえて、以下、お読みください。

実態を反映していない売上高

ベストワンクルーズでは、クルーズ会社のパッケージをオンラインの代理店として日本国内に販売する仲介業ですので、在庫リスクはほとんどありません。有報にも在庫リスクはほとんど負担していない旨記載されています。

旅行代理店業務は取扱高を売上高に計上する会計処理と取扱手数料雄のみを営業収益(売上高)に計上する会計処理の選択適用が認められていますが、ベストワンは在庫リスクをほとんど負っていないにも関わらず、トップライン(売上高)を大きく見せようと、取扱高を売上高に計上しています。代理店・取次業として事業の実態を反映しているかは疑問です。

結果として、本来の売上高(手数料収入)は3億円強であるにも関わらず、会計処理の選択適用によって売上高は15億円強にお化粧されています。売上総利益(3億円)を分母として営業利益率を計算すると約36%と試算され、売上高を分母にした場合の営業利益率(約7.6%)と比較しても、高効率と言えるのですが、規模(見せかけ)を重視しているのでしょう。

 

少数精鋭のIT企業?

オンライン専門のクルーズ手配会社として、ウェブサイトは収益を上げるための生命線とも言えるものですので、内製化し、商品登録のスピード化に取り組むこと自体は評価できるのですが、登録した後の情報の更新が疎かになっているようです。いずれの部署にITの方がいるかわかりませんが、従業員数22名は頼りない規模感です。

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ウェブサイトが杜撰なe-commerce企業

2019年6月5日の日経の記事「キューバへのクルーズ船制限 80万件の予約に影響」によると、そもそも米国発のキューバ行きクルーズ船を運航できない状況にも関わらず、ウェブサイトでは、キューバ(ハバナ)行きのクルーズプランが販売されています。そもそも、このプランを購入したとしてもキューバには立ち寄ることができず、代替の寄港地がプランされているはずなのですが。

米政府によるキューバへのクルーズ船での渡航禁止を受け、クルーズ船運航会社の業界団体は5日、約80万件の予約が影響を受けることを明らかにした。米クルーズ船運航大手のカーニバルも同日、キューバへの運航を取りやめた。米国からキューバへはクルーズ船を使っての訪問が多く、キューバ経済は大きな打撃を受けそうだ。

ロイター通信によるとカーニバルは「米政府の政策変更により、これ以上キューバ行きのクルーズ船を運航できない」として今後の運航を取りやめた。他のクルーズ船運航会社に関しても、すでに出発済みの便に関してはキューバには寄港しない方針だという。

以下は、ベストワンクルーズのウェブサイトより。キューバに寄港することが見て取れます。

既に新しい寄港ルートが出ているにもかかわらず、当初のスケジュールプランを変更する予定はなく、一番下に”変更になる可能性があります”との文言のみです。可能性ではなく、既に変更済みなので変更後のスケジュールを記載したほうが、顧客満足度向上につながると思います。

Cruise.comのウェブサイトを見てみると、同日程のMSCアルモニア号のプランでは、キューバに寄港しませんし、ロアタンにも、コスタ・マヤにも寄港しません。

e-commerceやウェブ事業を手掛けている企業にとって、ウェブサイトは顧客との接点をもつ唯一のポイントであるにも関わらず、お粗末と言わざるをえないです。いつから、日本は稚拙で低クオリティな社会になってしまったのでしょうか。現状の収益向上は外部環境による要因が大きいだけです。自助努力で伸びていないことをしっかりと認識の上、ウェブサイトの改修・保守とIT人材の登用に投資をしていって欲しいです。現状、上場を焦ったが故に、規模拡大のプレッシャーを受けつつあり、ファイナンス思考ができていないと思います。

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