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【日銀】21年3月末時点のETF取得平均。あなたは40%のリターンを上げましたか?

2021/06/01
 

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40代の読書家 兼 エコノミスト。 普段、マネーに世界中をさせています。ブログでは、おカネ(投資)とホン(書評)とタビ(旅行)についてまとめていきたいと思います。「いいね」を押してくださったり、ツイートしてくださると励みになります。 よろしくお願いします。

日銀の2021年3月期の財務データが公表されましたので、その公開データ財務諸表等を基に、日銀によるETF取得単価を試算しました。

日銀によるETF購入方針の変更(2021年4月1日~)

日銀がETFを取得するといっても、多くのETFがあります。これまで、日銀は有象無象のETFを買い入れる際の指針として、3指数(TOPIX、日経225、JPX日経400)に連動するETFに約25%、TOPIXに連動するETFに約75%を買い入れる旨、示していましたが、2021年3月18日から19日にかけて行われた政策委員会・金融政策決定会合にて、買入れ比率見直しを決定し、これからは、TOPIXに連動するETFに100%買い入れる旨、3月23日に公表された「ETFの買入れの運営について」にて明らかにしました。なお、方針変更は2021年4月1日から実施されるので、4月1日以降、日銀がETFを購入する際は、すべてTOPIXに連動するETFとなります。なお、これまで毎日、設備投資および人材投資に積極的に取り組んでいる企業を支援するためのETFを12億円分購入していましたが、4月1日以降は、このETFの購入もなくなりました。また、前場で市場が大きく下がったときに日銀によるETF買いが期待されるのですが、5月28日時点において、1日しかありません。4月21日の前場で2%強下がった時に、701億円のまとまった買いが入りました。

察するに、前場で2%以上株価が下げるようなときに、日銀によるETF買いが入る可能性が高いと思われます。

(日銀のウェブサイトより)

日銀のETF取得単価はTOPIXベースで1,368ポイント

試算にあたって、(1)日銀が保有するETFがすべてTOPIXをベンチマークとするETFであるとした場合、(2)すべて日経225をベンチマークとするETFであるとした場合の2パターンに分けてグラフ化しました。いずれも、2021年3月31日までのデータで現在公表されているものを使っています。

2021年3月31日時点において、信託財産指数連動型上場投資信託(いわゆるETF)の簿価約36兆円に対して時価は51.5兆円であり、含み益は約15.5兆円(約+43%)です。3月31日のTOPIX終値は1,954ポイントでしたので、これらを基に、簿価をTOPIXに引き直すと、1,368.12ポイントと試算されます。

なお、TOPIXのヒストリカルデータはこちらを参照しました。以下のグラフはETFの推移を示しており、オレンジ色は含み益を表していますが、2020年3月31日時点において、ほぼ含み益がない状況となっており、日銀のB/Sは株安に弱い財務体質になっていると窺い知ることができます。

日銀のETF取得単価は日経平均ベースで20,429円

同様に、2020年3月31日の日経平均終値は29,178円80銭でしたので、同様に、簿価を日経平均に引き直すと、20,429円91銭と試算されます。なお、日経平均のヒストリカルデータはこちらを参照しました。1年前は、コロナ禍真っ只中で先行きが本当に見通せない中、期末簿価割れ?の懸念があったり、いろいろとデマが流れ、含み益は+1%でしたが、1年後には、含み益は約+43%に上昇しました。ワクチン接種が先進諸国から周回遅れになる中において、海外にけん引された影響かと思います。内需だけでは到底ここまで延びなかったと思われます。

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日銀のJ-REIT取得単価は東証REIT指数ベースで1,556ポイント

日銀は、J-REITのETFも購入しているため、日銀保有のREIT関連のETFの簿価を、東証REIT指数に引き直すとどの程度になるか試算しました。

2021年3月31日時点において、簿価6,574億円に対して時価は8,504億円であり、含み益は1,930億円(約+30%)です。このときの東証REIT指数終値は2,013.08でしたので、これらを基に、簿価を東証REIT指数ベースに引き直すと、1,556.21と試算されます。

なお、東証REIT指数のヒストリカルデータはこちらを参照しました。

43%の含み益。これを上回らない日本株ファンドマネージャーはプロ失格

日銀は、年々ETFの購入金額を増やしており、加重平均の観点からも直近の取得価額に引っ張られることもあって、評価損益率は年々下落傾向にありました。特に、2020年3月期は、(当時)先の見通せなかったコロナ禍の影響もあり、含み益がスティープに下落していることがわかりますが、2020年4月以降は、日銀のETF取得ペース以上に、市場が力強く上昇したことを受けて、1年で含み益が約40%上昇しました。

見方を変えると、2020年4月から2021年3月の1年間で40%のリターンを上げられなかった日本株ファンドマネージャーはプロ失格でしょう。無駄にこねくり回して、結果を出せず、投資家の資金を溶かしたセンスのない無能です。

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